調査内容 ブレード・サーバーの付加価値への対価(その2)
調査時期 2008年7月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3062件(1126件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスが企業情報システムの担当者(ITpro Researchモニター登録者)を対象に行った2008年7月調査では,各ベンダーがブレード・サーバーで提供している,あるいは近く提供すると予想される機能,メリット,特徴を約40項目挙げ,回答者が現在担当している情報システムにそれらが必要と考えるか,その機能の追加やサービスのコストがどの程度までなら採用しようと考えているを聞いた。

 今日の記事では仮想化と高可用性関連の項目についての調査結果を紹介する。

「高可用性」の対価が高め,仮想化ソフトの導入・設定ではVMwareが別格

 下のグラフでも明らかだが,今回の仮想化と高可用性関連の12項目に対する「許容できる対価」の中央値は,すべて横並びで10万円。ただし,第3四分位数(有効回答数の中で高額回答から順に整列した場合に上から4分の1の位置に来る回答の値)では「モジュールの障害発生時に、数十秒で予備系へ切り替えて実行を継続する高可用性環境(の追加コスト)」が最も高額で50万円だった。

 残り11項目は,6項目(高可用性(数分で切替),高可用性(障害予兆検出),24時間365日遠隔監視サービス,セキュリティ監視ツール,一元監視・運用ツール,VMwareの導入・設定)が30万円。残り5項目(VMware以外の仮想化基盤ソフトの導入・設定2項目,PtoVツール,VtoVツール,性能チューニング・ツール)が20万円。高可用性環境と監視ツールにはやや高めの対価が妥当とされた。仮想化基盤ソフトのプレインストールに対しては,VMwareとその他の仮想化基盤ソフトの間で,評価に差が出た。

上下の特異値を除いた平均値では「数十秒で切替」が約60万円,「PtoVツール」が約40万円

 ちなみに,値が「0」の回答と,百分位で上側99パーセント点を上回る値の回答(高額側の回答で最上位1%に属する回答)を除外した平均値は,「高可用性(数十秒で切替)」が60万円弱で最も高く,「高可用性(数分で切替)」が50万円,「24時間365日遠隔監視サービス」が45万円強,「PtoVツール」が40万円弱だった。

 「高可用性(障害予兆検出)」と「セキュリティ監視ツール」が30万円強,「一元監視・運用ツール」は30万円弱,「VMwareの導入・設定」が25万円強,その他の「仮想化基盤ソフトの導入・設定」2項目と「性能チューニング・ツール」と「VtoVツール」は20万円強~25万円弱だった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,各ベンダーがブレード・サーバーで提供している,あるいは近く提供すると予想される機能,メリット,特徴を約40項目挙げ,回答者が現在担当している情報システムにブレード・サーバーを採用する上で必要と考えるかどうかを聞いた。
 各項目について「必要」「どちらかと言うと必要」「どちらかと言うと必要ではない」「必要ではない」の四択とし,「必要」または「どちらかと言うと必要」とした項目に対して,そのコスト,あるいはその機能の追加やサービスに対するコストがどの程度までなら採用すると考えるかを,自由記入(単位:万円)で回答を求めた。
 調査実施時期は2008年7月中旬,調査全体の有効回答は3062件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1126件。

図●必要と思うブレード・サーバーの各機能,メリット,特徴について,その対価として支払う上限のコスト(万円単位で自由記入,その2,仮想化,高可用性関連)
図●必要と思うブレード・サーバーの各機能,メリット,特徴について,その対価として支払う上限のコスト(万円単位で自由記入,その2,仮想化,高可用性関連)
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