市場調査会社の米Gartnerは英国時間2008年8月27日,携帯電話機市場に関する調査結果を発表した。それによると,同年第2四半期の世界全体の販売台数は3億472万台で,前年同期に比べ11.8%増加した。新興市場では,新規加入者が引き続き増加したが,石油と食料の価格高騰や経済情勢の影響で機種変更は低調だった。成熟市場では,ハイエンド製品よりミッドレベルの製品が好調だった。

 日本を除くアジア太平洋地域の販売台数は1億1500万台。成熟市場の成長は鈍く,新興市場の伸びが地域全体の成長を支えた。東欧・中東・アフリカ地域は5600万台で前年同期比18%増。中南米は3850万台で同19%増だった。

 日本は940万台で前年同期に比べ22.1%減少。下げ幅は第1四半期の倍以上となった。購買意欲をそそる新機能を搭載した機種が少なかったことや,2007年末に導入された新しい料金体系が影響したと見られている。

 北米は4410万台で前年同期比6.58%増。主に機種変更によるものだった。西欧は4200万台で同8.2%減だった。

 メーカー別の販売台数を見ると,フィンランドNokiaが1億2035万台(市場シェア39.5%)で1位を堅持。2位は韓国Samsung(4638万台,15.2%),3位は米Motorola(3037万台,10.0%)だった。

2008年第2四半期における世界携帯電話機販売台数(単位:1000台)

メーカー

2008年Q2

2007年Q2

販売台数 市場シェア 販売台数 市場シェア
1.Nokia 120,353.3 39.5%100,032.8 36.7%
2.Samsung 46,376.0 15.2%36,211.8 13.3%
3.Motorola 30,371.8 10.0%39,530.1 14.5%
4.LG Electronics 26,698.9 8.8%18,522.9 6.8%
5.Sony Ericsson 22,951.7 7.5%24,346.5 8.9%
その他 57,970.4 19.0%53,959.6 19.8%
合計 304,722.1100.0% 272,603.7 100.0%
注)OEM販売による出荷台数は除く   出典:Gartner(2008年8月)

 これまでシャープ,パナソニック モバイルコミュニケーションズ,京セラといった日本勢はトップ5を追い上げる存在だったが,日本の携帯電話機市場が飽和状態に近づく一方,海外への進出が停滞しているため,伸び悩んでいるとGartnerは分析している。