市場調査会社の米iSuppliは米国時間2008年8月19日,同年のNAND型フラッシュ・メモリー市場における売上高の成長率予測を9%から0%へ下方修正した。競争激化と景気低迷を要因として挙げている。第4四半期中に価格が安定しなければ,マイナス成長に転じる恐れもあるという。

 同社チーフ・アナリスト兼ディレクタのNam Hyung Kim氏によれば,「フラッシュ・メモリー業界はSSDなど新たな需要を生む可能性がある技術の話題で盛り上がっているが,市況が急速に好転することはないだろう。景気の先行き不安や過剰在庫,受注の減少,個人消費の低迷により,市場を取り巻く環境は当面厳しいものになるからだ。フラッシュ・メモリーは携帯音楽プレーヤやデジタル・カメラなどの消費者向け製品に多く使われているため,マクロ経済環境の変化の影響を非常に受けやすい」という。

 同社はこれまで,NAND型フラッシュ・メモリーの1Mビット当たりの平均販売価格(ASP)は2008年に56%下落すると見ていたが,この点についても約60%下落に下方修正した。

 なお,2008年第2四半期の売上高ベースの市場シェアは,韓国Samsungが42.3%を獲得して1位となった。これに東芝(市場シェア27.5%),韓国Hynix Semiconductor(同13.4%),米Micron Technology(同8.9%)が続く。Micronは300mmウエーハの生産量増加などで前期から市場シェアを1.1ポイント拡大し,3位のHynixとの差をいっそう縮めた。