「グリーンIT」「ユニファイドコミュニケーション」など,ITの世界では最新のキーワードが日々登場している。中堅・中小企業はどのようなキーワードに関心を持ち,どのようなキーワードが良く知られているのだろうか。今回は最新キーワードの解説と,それぞれのキーワードに対する中堅・中小企業の関心度を取り上げる。

運用管理の負担軽減に関連するキーワードに関心

 サーバーやクライアント・パソコンの運用管理の負担軽減は,中堅・中小企業において優先度の高い課題となっている(注1)。このため,サーバーの台数を集約して運用管理を改善する「サーバー統合」のための技術である「ブレードサーバー」「統合化」「仮想化」といったキーワードに,高い関心が集まっている()。「シンクライアント」もクライアント・パソコンの機能を限定して,運用管理の負荷を軽減する仕組みである。

図●最新キーワードへの関心度(Nは有効回答数)
図●最新キーワードへの関心度(Nは有効回答数)
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 サーバー統合については,サーバー・ブレード,ストレージ,ネットワーク・カードを同梱した,ラッキング不要の安価なエントリ向け統合型ブレードが登場している。そのため,中堅・中小企業におけるサーバー統合は今後活性化していくと予想される。

 一方,シンクライアントについては,知名度は高まったにも関わらず,導入意向は逆に低下するという現象が見られる。従来のシンクライアント・ソリューションはクライアント・パソコンのリプレースやサーバー側の増強といったハードウエア投資を必要とするものが主流であり,そのコスト負担が中堅・中小企業にとって導入の壁となっていたためだ。

 しかし,USBメモリー内にOSイメージやデータを格納し,クライアント・パソコン内蔵のハードディスクへのコピーや書き込みを禁止するなどという安価なソリューションも登場しつつある。既存のクライアント・パソコンを利用でき,かつサーバー増強も不要となれば,中堅・中小企業でもシンクライアント活用の道が拓けてくる。