英国情報通信庁(Ofcom)は2008年8月14日,前年の英国における通信サービス利用状況の調査結果を発表した。

 それによると,2007年にはオンライン広告支出が前年比約40%増の28億ポンドに達し,テレビ広告支出(24億ポンド)を初めて上回った。内訳は,有料広告検索が最も多く前年比39%増の16億ポンド,クラシファイド広告が同54%増の6億ポンド,ディスプレイ広告が同29%増の6億ポンドだった。

 この背景には,携帯電話やインターネットの利用時間増加がある。2002年から2007年にかけ,携帯電話の1日当たりの利用時間(通話とテキスト・メッセージング)は5分から10分へとほぼ倍増した。また,デスクトップ・パソコンやノート・パソコンを使った1日当たりのインターネット利用時間も6分から24分へと増加している。

 半面,2007年に1世帯が通信サービスに支払った平均料金は1カ月当たり93.63ポンドで,2004年に比べ4.31ポンド(4.4%)減少,2006年に比べても1.53ポンド(1.6%)減少した。2007年に食料品が約7%値上がりし,小売物価指数(RPI)が4.1%上昇したのと対照的である。

 Ofcomによると,通信サービス料金の価格低下は,より安価なサービスを積極的に求める消費者とバンドル・サービスの普及,そしてブロードバンド接続の低価格化に負うところが大きい。例えば,固定電話,ブロードバンド接続,有料テレビの3つのバンドル・サービスを利用している消費者は2006年から2008年の間に全体の18%から32%へとほぼ倍増した。また,インターネット接続やブロードバンド接続に対する世帯当たりの支出は,2006年の9.87ポンドから2007年の9.45ポンドへと下がった。さらに2008年3月までにプロバイダを1回以上乗り換えた消費者は,インターネット接続で27%,固定電話で37%,携帯電話で41%を占めている。

 USBドングルやデータ・カードを使ったモバイル・ブロードバンド利用も急速に広まっている。2008年2~6月の5カ月間だけでも,その利用者は51万1000人増加した。モバイル・ブロードバンド利用者うち,4分の3が家庭でUSBドングルを利用しており,3分の2がUSBドングルと固定電話回線を併用している。

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