米comScoreは米国時間2008年7月24日,携帯端末からのオンライン地図利用に関する調査結果を発表した。モバイル地図サービスの利用者数はこの1年で大幅に増加し,米国で82%,欧州で49%増えている(表1)。2008年3~5月の3カ月間にモバイル地図サービスを利用した携帯端末加入者の割合は,米国で7.5%,欧州で3.4%だった。
表1 モバイル地図の利用者数(3カ月平均)
地域 |
利用者数(単位:1000人) |
携帯端末加入者の割合 | |||
2007年3~5月 | 2008年3~5月 | 増加率 | 2007年3~5月 | 2008年3~5月 | |
フランス | 907 | 1,265 | 40% | 2.0% | 2.7% |
ドイツ | 663 | 963 | 45% | 1.4% | 2.0% |
イタリア | 1,595 | 2,142 | 34% | 3.5% | 4.6% |
スペイン | 702 | 1,080 | 54% | 2.2% | 3.2% |
英国 | 1,247 | 2,147 | 72% | 2.8% | 4.5% |
欧州(上記5カ国合計) | 5,114 | 7,597 | 49% | 2.4% | 3.4% |
米国 | 9,280 | 16,871 | 82% | 4.4% | 7.5% |
モバイル地図サービスを利用した人のうち,米国では73%,欧州では57%がWebブラウザ経由でアクセスしている。アプリケーションをダウンロードして,高度なモバイル地図機能を利用している人は,米国と欧州ともに3分の1に満たなかった。
モバイル地図の利用目的については,自動車で移動する際のナビゲーションが最も多い。車社会の米国ではモバイル地図利用者の85.7%が,公共交通機関の方がよく使われる欧州でも6~7割が運転のナビゲーションを理由に挙げている(表2)。
表2 モバイル地図の利用目的(2007年3~5月と2008年3~5月の平均)
地域 | 自動車での移動 | 公共交通機関の乗り換え | 徒歩,自転車での移動 |
フランス | 79.9% | 18.6% | 21.5% |
ドイツ | 62.4% | 30.0% | 31.2% |
イタリア | 77.3% | 15.1% | 19.4% |
スペイン | 63.9% | 26.1% | 22.1% |
英国 | 57.9% | 30.2% | 41.0% |
米国 | 85.7% | 14.9% | 14.6% |
モバイル地図へのアクセスに使う端末としては,米国では米Appleの「iPhone」,欧州ではフィンランドNokiaの「N95」と「N70」の人気が高かった。
また,米国ではモバイル地図を利用している携帯端末加入者のうち73%がパソコンからもオンライン地図を利用。欧州でもその割合は57%に達している。しかし,携帯端末からの地図利用が大幅に増加したのに対して,パソコンからの地図利用はさほど伸びておらず,最も成長率の高かったイタリアでも15%増にとどまっている(表3)。
表3 パソコンからのオンライン地図の利用者数(ユニーク・ビジター数)
地域 | 2007年5月(単位:1000人) | 2008年5月(単位:1000人) | 増加率 |
米国 | 70,471 | 72,327 | 3% |
英国 | 14,215 | 14,027 | -1% |
ドイツ | 11,597 | 12,188 | 5% |
フランス | 10,510 | 11,622 | 11% |
スペイン | 5,245 | 5,645 | 8% |
イタリア | 4,718 | 5,436 | 15% |
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