大手ソフトウエア会社の米CAは米国時間2008年7月16日,セキュリティとプライバシについて米国の消費者と企業を対象に調査した結果を発表した。それによると,「国内の小売店,政府組織,銀行は個人情報を安全に保護していると確信できる」とする消費者は8%しかいなかった。

 消費者の22%は「個人情報盗難の被害を受けた経験がある」と回答しており,「知人が個人情報を盗まれたことがある」とする回答者は48%に達している。また,消費者の79%は,企業や政府機関で大規模なセキュリティおよびプライバシ侵害があった場合に,これら組織に対する信頼,評判,顧客満足度が低下すると答えている。

 一方,企業に対するウイルス攻撃,ネットワーク攻撃,DoS攻撃の件数は,2006年の前回調査よりも平均11%減少していることが分かった。発生したセキュリティ侵害のうち44%は社内からの攻撃で,前回調査の42%から2ポイント増加した。また,2003年調査の15%からは29ポイント増加している。

 CAによれば,企業はかつて社外から仕掛けられる攻撃を心配していたが,現在は大きな危険が社内に潜んでいることを認識しているという。そのため,機密データを保護するために,ID管理とアクセス管理を行う製品を導入する企業が増加している。今回の調査で「今後12~18カ月以内にこれら技術の導入を計画している」と回答した企業は60%で,前回調査の49%から11ポイント高くなった。

 セキュリティやプライバシ保護に対する投資については,消費者の68%は,企業や行政機関が十分な投資を行っていないと考えている。これに対し,「自分の会社のセキュリティへの投資は不十分だ」と考える企業のセキュリティ担当幹部は32%にとどまった。

 なお,今回の調査はCAの委託を受けたカナダの調査会社Strategic Counselが実施したもの。18~64歳の米国人400人と500社の米国企業を対象に実施した。

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