マーケティング会社の米Manning Selvage & Lee(MS&L)は米国時間2008年7月16日,企業のオンライン・マーケティング投資に関する調査結果を発表した。それによると,景気低迷にもかかわらず,2009年にオンライン・マーケティング予算を増額予定の企業が75%を超えたという。

 オンライン・マーケティング予算を「据え置く」という回答者は21%で「減額」するはわずか4%だった。これに対し,他のマーケティング予算は,「増額」するが約33%にとどまり,「据え置く」が約48%で「減額」するが約20%だった。

 予算縮小を余儀なくされた場合,支出減額の対象に挙がったのは,POS(販売時点)マーケティング(回答者の29%),広報宣伝(16%),ダイレクト・マーケティング(16%)などだった。先述の通り,オンライン・マーケティングはわずか4%で,減額対象とする優先順位がきわめて低いことが分かった。

 MS&L最高経営責任者(CEO)のMark Hass氏は,「従来の広告や宣伝に比べ,オンライン・マーケティングは対象とする消費者層へのリーチ度や訴求効果を測定しやすいため,景気減速時でも予算縮小の対象にはなりにくい」と説明している。

 今後6~12カ月間に,優先して取り組みたいオンライン・マーケティング手法について尋ねると,「CGM(消費者発信型メディア)」を挙げる回答者が28%に達し,前年調査の12%から急増した。

 CGMの効果については,「ブランド認知度の向上」(68%)や「ブランドの確立」(64%)に加え,「革新的な企業というイメージの確立」(60%)を挙げる回答者が多かった。また,「売上高の増加」に有効という回答者も43%にのぼり,CGMがROI(投資利益率)向上に役立つと考えるマーケティング担当者が多いことが分かった。

 なお,今回の調査は,米企業のチーフ・マーケティング・オフィサ,マーケティング担当副社長,マーケティング・ディレクタなど252人を対象に実施された。

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