“企業IT動向調査2008

 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は1994年度から毎年、企業のIT予算・組織、開発実態などを調査している。2007年度の調査結果を「企業IT動向調査2008」にまとめた。IT投資は07年をピークに減少に向かうこと、基幹業務システムの寿命はユーザーとベンダーの間で4年の認識の差があることなどがわかった。

IT投資:2008年度以降は伸び悩み 
情報システムの信頼性:対策は進んだが改善の余地も 
情報ビジネスイノベーション:貢献道半ば 
IT組織:9割の企業で要員が不足 
ハード/ソフトのライフサイクル:基幹システムの平均寿命は14年 

調査概要と回答企業プロフィール
 アンケートを送付した企業は、東証一部上場企業を中心に約4000社。IT部門への調査はIT部門長に、利用部門への調査は経営企画部門長に回答を求めた。調査内容の全108項目をIT部門に、うち14項目を利用部門に尋ねた。
 調査期間は昨年11月から今年2月。有効回答はIT部門が634社(有効回答率は16%)、利用部門が683社(同17%)だった。加えてインタビューによる調査も実施。40社のIT部門長、5社の経営企画部門に、今回の重点テーマについて尋ねた。
 アンケートに回答した企業の業種は、IT部門では「機械系製造」(26%)が最も多かった。「商社・流通系」(19 %)、「素材系製造」(16%)、「サービス系」(13%)、「一次産業」(13%)が続いた。利用部門も同様の傾向を示した。
 回答企業の売上高は、IT部門では10億円未満が1%、10億~100億円未満が20%、100億~1000億円未満が53%、1000億~1兆円未満が20%、1兆円以上が6%だった。利用部門も大きく変わらない。
 JUASは1992年に設立した社団法人。ユーザーの立場での産業情報化を推進している。2008年5月時点の会員数は360社。正会員171社の内訳はユーザー企業が64%、システム子会社が17%、ベンダー・コンサルタントが19%。