スイスのチューリッヒ工科大学(ETH Zurich)と米Googleのスイス法人,および米IBMのセキュリティ部門Internet Security Systems(ISS)の研究者は現地時間2008年7月1日,Webブラウザについて調査した結果を発表した。世界のGoogleユーザーが利用しているWebブラウザを2008年6月に調査した結果,最新版のユーザーは59.1%にとどまった。Webブラウザのぜい弱性を突いてマルウエアに感染させる攻撃が急増しているため,最新版を使っていない約40%のユーザーは危険にさらされているという。

 レポートによると,リモート攻撃の標的となるぜい弱性が2000年以降増えており,2007年に報告されたぜい弱性のうち89.4%を占めている。このうち,Webブラウザに関連するぜい弱性の割合が増えているという。

 2008年6月中旬に収集されたGoogleユーザーのデータによれば,Webブラウザ市場のシェアはMicrosoftのInternet Explorer(IE)が78%,MozillaのFirefoxが16%,AppleのSafariが3%,Operaが1%だった。これら上位4つのブラウザが同市場全体の98.6%を占めている。

 最新版を利用しているユーザーの割合をブラウザ別にみると,Firefoxが最も多く92.2%だった。これにOperaが90.1%,Safariが70.2%と続き,IEは52.5%にとどまった。Safariの最新版はリリース後3カ月で60%以上のユーザーが更新している。一方で,2006年10月にリリースされたIE7は52.5%のユーザーが更新するまでに19カ月かかっている。

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