市場調査会社の米IDCは米国時間2008年6月25日,世界のインターネット利用状況の調査結果と今後の見通しを発表した。それによると,2008年には定期的にインターネットを利用する人が約14億人に達し,2012年には19億人を超える見込みだという。この数は世界人口の30%に相当する。

 現在,パソコンを使ったインターネット接続が最も多いが,IDCは2012年までにモバイル端末を使った接続がパソコンによる接続を上回ると予測している。インターネット上では,検索,ショッピング,電子メールといったWeb 1.0型の活動が続いているが,ユーザーが作成したビデオの視聴,ブログの投稿,ソーシャル・ネットワークへの参加といったWeb 2.0型の活動に費やされる時間が増えている。そのため,Web 2.0型のアクティビティはオンライン広告主にとって新しいチャンスになるとしている。

 このほかの主な調査結果および予測は次の通り。

  • 2008年には,人々がパソコン,携帯電話機,ビデオゲーム・コンソールを含め15億台の端末を通じてインターネットにアクセスする。2012年までに,アクセスに使う端末の数は倍増して30億台を超え,この半数をモバイル機器が占める。

  • 中国のインターネット利用者数は,2007年に米国を抜いて1位になった。2008年には2億7500万人,2012年には3億7500万人に増加する。

  • 2008年には,インターネット利用者の半数近くがオンラインで買い物をする。2012年までに,世界で10億人のオンライン消費者が1兆2000億ドル分の買い物するようになり,2012年におけるオンラインの企業間取引額はその10倍の12兆4000億ドルに達する。

  • 2008年の世界のインターネット広告費は65億2000万ドル。この額は,全メディアに対する広告費の約10%に相当する。2011年までにこの割合は13.6%に達し,世界のインターネット広告費は1066億ドルに拡大する。

  • 現在,世界のインターネット利用者の約40%はモバイル接続が可能。その人口は2008年に2006年の約2倍の5億4600万人に達する。2012年には15億人を超える。

  • 現在,最も人気のあるオンライン活動は情報検索,電子メール,ニュースやスポーツ情報へのアクセスなど。50%以上のユーザーがインスタント・メッセージとオンライン・ゲームを利用している。このほか,ビジネス・アプリケーションへのアクセス,ブログ,オンライン・ギャンブル,仕事関連の電子メールへのアクセス,オンライン・コミュニティへの参加といった活動が増えている。

  • モバイル・インターネットでは,2012年までに楽曲,ビデオ,着信音のダウンロードが最も人気のあるアクティビティとなる。

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