米Gartnerは米国時間2008年6月23日,世界中で設置されているパソコンの台数が10億台を超えたとする調査結果を発表した。同社の試算によると,世界のパソコン台数はインストール・ベースで年間12%増加しており,2014年の前半には20億台を突破する見込み。

 同社リサーチ・ディレクタのGeorge Shiffler氏によると,現状では,米国や西欧,日本といった成熟市場が世界中で設置されているパソコン台数の58%を占めている。人口比率で見ると,これらの市場は世界のわずか15%だ。

 同社は,2013年までに,新興市場のパソコン普及率が現在の2倍に拡大するとみている。「ブロードバンドおよびワイヤレス接続環境の整備,パソコンの平均販売価格の下落,そして進歩のためにパソコンは不可欠なツールであるという認識の浸透が,パソコンの急速な普及を牽引している」(Shiffler氏)。

 同社リサーチ・バイス・プレジデントのLuis Anavitarte氏は,今後設置される10億台のパソコンのうち,新興市場が占める割合は約70%になると見積もっている。

また,同社主席リサーチ・アナリストのMeike Escherich氏の分析によれば,既存の設置済みパソコンのうち,1億8000万台以上が今年中に買い換えられる。その5分の1(約3500万台)は有毒物質が含まれたままの状態で埋立地に捨てられる。「多くのパソコン・ベンダーや各国政府,環境団体にとって,不要となったパソコンの処分は重要な問題になっている。新興市場の台頭でこれから廃棄パソコンが増加することを考えると,これは早急に対策を講じなければならない問題だ」(Escherich氏)。

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