米ミネソタ大学は米国時間2008年6月19日,「MySpace」や「Facebook」などのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)には教育的価値があるとする調査結果を発表した。また,調査では,家庭の所得額に関係なく高校生がインターネットを使いこなしている実態も分かったという。

 調査は,米中西部の都市部にある13の高校に通う16~18歳の生徒を対象に,今年の1~6月に実施した。また,調査対象から無作為に抽出した生徒に,MySpaceの利用状況について尋ねた。

 それによると,94%がインターネットを使った経験があり,82%が家庭でインターネットを利用していると答えた。SNSでプロフィールを公開している生徒は77%に上った。

 SNSを使うことで何を学習できるかというという質問に対しては,テクノロジ・スキルという回答が最も多く,創造力,新しい考えや多様な見解に対する寛容性,コミュニケーション能力がこれに続いた。

 調査を率いたミネソタ大のChristine Greenhow氏は,「生徒たちはSNSを通じて,コンテンツの編集,サイトのデザインやレイアウトの構築,詩や映画の創作,情報とテクノロジの安全で責任ある利用方法など,様々なことを学んでいる」と分析する。「これらは,21世紀の社会で求められる技術。SNSなどのWebサイトが持つ潜在的な教育的価値は計り知れない」(同氏)。

 米Pew Internet & American Life Projectが2005年に実施した調査では,所得が3万ドルを下回る家庭の高校生のインターネット利用率は73%にとどまり,所得によってインターネット利用に格差が生じる「デジタル・デバイド」の存在が明らかになった。しかし,今回の調査では,所得が平均(2万5000ドル)以下の家庭の高校生が対象だったにもかかわらず,インターネット利用率は94%まで上昇した。

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