米Rubicon Consultingは米国時間2008年4月1日,米Appleの携帯電話「iPhone」が米国の携帯電話市場に与えた影響と,iPhoneの利用状況について調査した結果を発表した。それによると,iPhoneユーザーは毎月の携帯電話料金が約24%高くなったにも関わらず,おおむね製品に満足している。また,調査結果から推計すると,米国におけるiPhoneの独占的キャリアである米AT&Tは,iPhone関連の売上高として年間約20億ドルの増収を確保している。

 iPhoneユーザーの約半数は,iPhone購入を機に他キャリアからAT&Tに切り替えている。また,他のスマートフォンからiPhoneに乗り換えたユーザーは40%だが,携帯電話から乗り換えたユーザーは約50%で,スマートフォン市場の拡大を後押ししていることが分かった。

 iPhoneユーザーの大半は,若い世代のApple製品愛好者である。約50%のユーザーが30歳以下で,75%が「iPod」や「Macintosh」のユーザーだった。

 iPhoneのデータ機能で最も利用されているのは,約70%のユーザーが1日に1回以上行う「電子メールの閲覧」。次いで「テキスト・メッセージの送信と閲覧」と「Webの閲覧」(ともに60%超)が続いた。

 約40%のユーザーが,閲覧したいWebサイトを表示できないことがあると回答しているにも関わらず,iPhoneを利用し始めてから,モバイル・インターネットをする時間が増えたというユーザーは75%を超えた。ちなみに同社によると,表示できないWebサイトがあるのは,iPhoneが現在Adobe Flashに対応していないためである。

 またiPhoneに対する要望としては,「他社製ソフトをもっとインストールしたい」「Microsoft Exchangeの電子メールを管理したい」「スクリーンを大きくして欲しい」などの声が寄せられた。

 Rubicon Consulting主席アナリストのMichael Mace氏は,「iPhoneの登場によって,米国のスマートフォン市場では,キャリアやモバイル・ソフトウエア・メーカーに代わって,Applなどのハードウエア・メーカーが力を持つようになった」と説明する。しかし,Appleが長期的な成功を収めるには,Appleファン以外にもアピールできるよう,Webの閲覧など,機能強化を行う必要があると,同氏は指摘している。

 調査は2008年3月に,米国のiPhoneユーザー460人を対象に実施したもの。

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