米Gartnerが米国時間2008年4月1日発表した予測によれば,2008年の世界ビジネス・インテリジェンス(BI)市場は11.2%成長し58億ドル規模となる。2012年まで年平均8.1%の成長を続け,77億ドル規模に達する見込み。

 同社が1500社のCIO(最高情報責任者)を対象に行った調査によれば,2008年および今後の最優先課題としてBIプラットフォーム整備が挙げられている。このためGartnerは,IT投資全体が削減傾向にあっても,BIについては景気減速の影響は比較的受けにくいと見ている。

 2007年のBI業界は米Microsoftが地歩を拡大したほか,フランスBusiness Objectsが独SAPに,カナダCognosが米IBMに,米Hyperionが米Oracleに買収されるなど,大幅な業界再編が行われた。今後もこうした再編によって製品が大手ベンダーに集約され,価格は若干低下するものの,新製品の投入,新規機能の追加および企業内で利用可能なユーザーが増加することで,市場全体は引き続き堅調に推移すると見る。

 ユーロ高による為替の影響もあり,2007年はEMEA(欧州/中東/アフリカ)地域およびアジア太平洋地域でのBI市場の伸びが顕著だった。一方,米国経済の低迷で北米地域は伸び悩み,2008年も同様の傾向が続くと見られる。企業がIT関連予算の実行を見合わせることになれば,減速傾向に一層拍車がかかる可能性もあるとGartnerは指摘している。

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