調査内容 IT関連キーワードの認知度・業務への影響・利用状況
調査時期 2008年2月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 3317件(1279件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数


 日経マーケット・アクセスでは,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,最新あるいは注目のIT関連キーワードを毎月三つずつ挙げて,その認知度,業務への影響と利用の状況について聞いている。2008年2月は,「ファンクションポイント法(FP法)」,「グリーンIT」,「10Gビット/秒イーサネット(10GbE)」について調査した。

 ソフトウエアの開発規模を仕様の段階で科学的に見積もる手法として,考案以来約30年の歴史を持つ「ファンクションポイント法(FP法)」。認知や理解度は意外に低く,「聞いたことがない」回答者が過半数(52.8%)を占めていた。しかし認知している回答者の中では,約3割が「自分の業務と関わる」,約2割が「一部で運用している」としている。この結果,認知度スコアはこのIT関連キーワード調査でこれまでに登場した54種類の用語の平均値(2.37)を下回ったが,影響度スコアは平均値(2.97)とほぼ同じ,利用度スコア(1.71)では上位15位以内に入った。

 昨年2007年から急速に話題に上ってきた「グリーンIT」。今回の調査でも,回答者の42.7%が「グリーンIT」を「聞いたことがある」,58.4%が「将来関わる可能性がある」としており,ともにこれまでの調査に登場したキーワードの中でトップ5に入る高率。ただし「業務に通用する知識がある」という深い理解を表明した回答者はわずか2.8%で,ワースト10に入ってしまう低率だった。

 「グリーンIT」は応用/利用もまだこれから。「具体化していない」が回答の76.2%を占める。認知度スコアは平均値を上回るが,影響度スコアは平均値なみ,利用度スコアは下位15位以内で,「FP法」と対照的な結果になった。

 読んで字のごとくの「10Gビット/秒イーサネット(10GbE)」。1Gビット/秒のイーサネット製品市場が本格的に立ち上がって5年以上が経過し,「今年(2008年)は10GbEの市場が立ち上がる」と期待する声が,ベンダー/インテグレータから漏れ伝わってくる。

 字面を見れば分かる用語なだけに認知度は高く,「ある程度理解している」と「聞いたことがある」の合計が75%弱。これまでの調査に登場した用語の中で「ブレード・サーバー」(2006年12月調査)や「仮想化ソフト」(2007年2月調査),「シンクライアント」(2006年11月調査)の認知度スコアを上回った。「自分の業務に関係ない」がわずか15.9%の低率だったのが効いて,影響度スコアも歴代トップ10に入る高得点である。

 しかしながら,応用/利用状況は「全社的に運用」(2.3%)や「一部で運用」(3.8%)の低さは想定内としても,「一部で試験運用」が2.7%,「導入を計画」も9.2%とかなり低い。利用度スコアはワースト10に入ってしまった。市場の起爆剤として2008年中に10GbEに期待するのは,やや時期尚早なのかもしれない。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,IT関連の最近のキーワードの認知度,自身の業務への影響をどう見ているか,回答者の所属組織での利用状況を聞いた。
 「認知度」は四択の質問で「業務に通用する十分な知識がある」を5,「内容をある程度理解している」を3.67,「名前だけは聞いたことがある」を2.33,「聞いたことがない」を1点にスコア換算した。
 同様に「業務への影響」は三択で「自分の業務と深い関わりがある」を5,「今は関わりがないが,将来関係するかもしれない」を3,「自分の業務には関係ない」を1点に換算。
 「応用/利用状況」は五択で「全社的に運用されている」を5,「一部の部門,業務で運用されている」を4,「一部の部門,業務で試験的に運用されている」を3,「導入を計画している」を2,「導入/利用計画はまだ具体化していない」を1点に換算した。
 調査実施時期は2008年2月中旬,調査全体の有効回答は3317件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は1279件。

図1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度・業務への影響・利用状況

図2-1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度

図2-2●情報システム担当者の最新キーワードの業務への影響

図2-3●情報システム担当者の最新キーワードの利用状況