米調査会社ABI Researchは米国時間2008年3月21日,携帯電話によるメッセージ・サービスに関する調査報告書を発表した。それによると,携帯電話向けメッセージ・サービス市場は技術革新と多様化が進み,2012年までに全世界で2120億ドル規模に達する。

 米大陸ではSMS(ショート・メッセージ・サービス)が普及し,先進国では携帯メールが急成長している。アジア/太平洋地域では,携帯電話利用者数の増加が各種メッセージ・サービスの成長につながっている。またSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の広がりが,世界のほぼ全地域で携帯メッセージ市場の拡大を後押ししていると同社は見る。

 ABI Researchは,地域によって成長の様相は異なるものの,送受信能力,サービスや価格の選択肢が広がることで,今後5年間,市場は確実に成長し続けると予測する。いつでも手軽に利用できるコミュニケーションや情報入手の手段として,携帯メッセージの需要は一層高まると見込んでいる。

 今後の成長を大きく左右する要因としては,タッチスクリーン,音声入力,キーボード・デザインの改善など,メッセージ入力がより容易にできる技術が求められる。またメッセージ・サービスの種類にかかわらず,固定通信網との連携など携帯電話のアクセス能力の拡大によって,個人ユーザーだけでなく,企業向けサービスの拡大が期待されている。

 ABIの主席アナリストDan Shey氏は「携帯メッセージ向けの新たな広告サービスが開発,導入されることにより,市場は今とは全く違う姿に変容する」とも述べている。

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