電気通信事業者協会(TCA)は2008年3月7日,2008年2月末時点の携帯電話・PHS契約数の速報値を発表した。事業者別の純増数は,ソフトバンクモバイルが10カ月連続で首位をキープした。

 ソフトバンクモバイルの純増数は前月比22万8100増。純増2位のKDDIは同20万1200増,3位のNTTドコモは同4万3700増,4位のイー・モバイルは同4万2800増だった。PHS事業者のウィルコムは,同2万9500マイナスの純減に転落した。

 なお,KDDIの数字はauブランドとツーカーブランドを合計したもの。ブランド別では,auが前月比24万9800の純増で,新規加入の受け付けを停止しているツーカーが同4万8700の純減だった。

 携帯電話全体では,前月比51万5800増の累計1億137万6300となった。各事業者の累計契約数は,首位のNTTドコモが5321万4000,2位のKDDIが2983万8700(うちauが2956万2000,ツーカーが27万6600),3位のソフトバンクモバイルが1804万2300,4位のイー・モバイルは28万1300となった。ウィルコムの累計契約数は459万7000に下がった。NTTドコモが1月にPHSサービスを終了したため,PHS全体の契約数も同数となる。

 番号ポータビリティ(MNP)の利用動向は,転入と転出の差し引きでソフトバンクモバイルが3万5500の転入超過,KDDIが3万800の転入超過(auが3万2400増,ツーカーが1700減)となった。NTTドコモは6万6400のマイナスだった。

auはお試し需要でプリペイド契約が8万2100増

 TCAの発表では,純増数の契約種別内訳や付加サービスの加入数も示している。この中では,プリペイド契約で前月比8万2100と大幅な純増だったauが目立った。au以外は,NTTドコモが同300減,ツーカーが同1万9200減,ソフトバンクモバイルが同2万6200減とどこも契約数を減らしている。

 KDDIはauのプリペイド契約が増加した理由について,「春シーズンは初めて携帯電話を契約するユーザーが増える。エリアや品質を確認してもらうため,プリペイドをおすすめするキャンペーンを行った。また,ツーカーのプリペイド契約から移行するユーザーも多く,一時的に数が増えている」と説明する。

 自動販売機や防犯器具などに利用する通信モジュールは,NTTドコモが前月比2万7500増の累計140万7000契約,KDDIが同3100増の累計80万7400契約,ソフトバンクモバイルが増減なしの累計1600契約。モジュール分野では,NTTドコモが独り勝ちを続けている。

 NTTドコモの端末1台で2契約できるサービス「2in1」の契約数は前月比1万900増で累計で22万9900になった。なお,NTTドコモの携帯電話サービスの純増数,契約数には2in1の分を含まない。2in1を利用して2回線分の契約をしている場合でも,集計上は1契約とカウントしている。

 NTTドコモは,3月から2in1で番号ごとに異なる名義での契約を可能にする。3月以降の集計方法については,「現在NTTドコモとの間で検討中」(TCA)という。

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