フィンランドのF-Secureは米国時間2008年3月4日,携帯電話によるインターネット利用およびセキュリティに関する調査結果を発表した。それによると,携帯電話ユーザーの3分の2以上がBluetoothを介したインターネット接続によって不正なソフトウエアに感染する危険性を認識しているものの,86%のユーザーはセキュリティ対策を実施していなかった。

 携帯電話でインターネット接続を行っているユーザーは全体の28%で,最も多かったのは英国の47%だった。しかしBluetoothを介した接続を安全と考えているユーザーは全体の21%,WiFi経由の接続が安全とみているのは15%にとどまり,ほとんどのユーザーが携帯電話のセキュリティに関して脅威を感じていることがわかった。

 携帯電話のセキュリティ対策については,半数以上が個人の責任で行うしかないと考えており,携帯電話事業者が何らかの対策を講じるべきとするユーザーは全体の3分の1だった。事業者の対策を望むユーザーの割合は,ドイツで11%だが,フランスでは32%にのぼる。

 F-Secureによれば,これまでに検知された携帯電話向けウイルスは400件程度とまだ少ないものの,今後スマートフォンの増加に加え,携帯機器がインターネット・アクセスの主流になるににつれて,ウイルス件数は拡大する。また,スパイウエアを使った携帯機器への不正侵入も増加傾向にある。

 同社調査部門責任者のMikko Hypponen氏は「携帯電話はセキュリティ・ソフトウエアのインストールなどの対策が講じられておらず,非常に無防備な状態にある」と警告している。

 調査は2008年1月,米国,カナダ,英国,フランス,ドイツの5カ国で20~40歳の携帯電話利用者を対象に実施し,1169名の回答を得た。

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