パスワード管理ツールの米Protecteerが米国時間2008年2月4日に発表した調査結果によると,米国のインターネット・ユーザーの63%が同一パスワード,またはそのバリエーションをほとんどのアカウントで使用しており,個人のセキュリティ対策が進んでいない実態が明らかになった。

 オンライン・アカウントで使用するパスワードについて,36.7%が「同じパスワードのバリエーションをほとんどのアカウントで使っている」と回答した。22.9%が同一のパスワードをほとんどのアカウントに使用し,3.5%は全てのアカウントで同一のパスワードを使用していた。

 保有しているオンライン・アカウント数を尋ねたところ,「6~10件」が21.3%,「11~20件」が14.9%,「20件以上」が13%と,半数近くが6件以上のアカウントを保有していた。

 パスワードを生成,管理するツールについては75%以上が使っていなかったが,そうしたツールで重視する要素として42%が「安全性」を挙げており,パスワードを記憶する必要がないなどの「利便性」(24%)を大きく上回った。

 オンライン・バンキング,ショッピング,SNS,電子メールなど,インターネット利用が活発になる一方で,米国では毎年フィッシングやオンライン詐欺などによる被害が数10億ドルに及んでいる。ユーザーは,セキュリティ上問題があることがわかっていても,実際には複数のパスワードを管理することが困難なため,同一のパスワードを使いがちだ。ProtecteerのCEO,Ami Grynberg氏は,「オンライン・バンキングなどセキュリティが特に求められる場合,パスワードの管理だけでなくサイトの安全性もチェックできるツールを使用するべきだ」と述べている。

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