米IDCは米国時間2008年1月22日,パソコン向けマイクロプロセサ市場に関する調査結果を発表した。それによると,2007年第4四半期におけるマイクロプロセサの世界市場は87億ドル規模で,前期から9.6%成長した。出荷個数は前期から8.5%増加し,2四半期連続で過去最高を記録した。

 サーバー向けの伸びが顕著で,出荷個数が前期から17.0%増加した。ノート・パソコン向けは同10.3%増加し,デスクトップ・パソコン向けは同6.5%増だった。

 IDC半導体部門担当ディレクタのShane Rau氏は,「当期は,デスクトップ・パソコン向けと比べて価格が高いサーバー向けとノート・パソコン向けの出荷個数が伸びた。また,各フォーム・ファクタにおいて,ハイエンドおよびミドルレンジ製品がローエンド製品の出荷個数を上回った。これらがASP(平均販売価格)の安定につながった」と説明する。

 ベンダーの市場シェアを出荷個数ベースでみると,米Intelが76.7%,米AMDが23.1%で,前期とあまり変わらなかった。フォーム・ファクタ別でみた場合,ノート・パソコン向けではIntelが81.9%,AMDが17.8%。サーバー向けではIntelが85.4%,AMDが14.6%。デスクトップ・パソコン向けではIntelが72.1%,AMDが27.7%となり,いずれも大きな動きはなかった。

 2007年通期の同市場は305億5000万ドル規模で,前年から1.7%増。出荷個数は同12.6%増だった。売上高と出荷個数の成長率に開きがあるのは,2007年初頭に価格が下落したため。

 同社の予測では,2008年第1四半期と第2四半期は,パソコン向けマイクロプロセサの需要が縮小する。第1四半期は,季節的要因により前期から6~7%減少する傾向があるほか,米国経済の不透明感が企業や消費者の需要に陰を落とす見通し。

 しかし,ノート・パソコン向けは2008年も堅調に伸びるという。IDCアナリストのRichard Murphy氏は,「ノート・パソコン向けは2ケタ成長を遂げ,2009年にはデスクトップ・パソコン向けを抜く」と予測している。

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