米国公認会計士協会(AICPA)は米国時間1月9日,企業が重要と考えるITの取り組みについて調査した結果を発表した。それによると,今後12~18カ月間に企業のIT戦略,投資および運営に大きな影響を与える技術的取り組みとして,最も重視されているのは「情報セキュリティ管理」,次いで「ITガバナンス」だった。
「ITガバナンス」は,昨年の調査時の6位から順位を上げた。企業のガバナンスと責任の重要性が見直されているためと,AICPAは分析する。「最適なITガバナンスを実施する企業の株式ならば,投資家は最大20%のプレミアムが付いても購入する意思を持っていることが,最近の調査で分かった」(AICPAのCEO兼社長,Barry Melancon氏)。
3位は「事業継続管理および災害復旧計画」,4位は「プライバシ管理」となった。Melancon氏は,「上位4項目は,企業資産の保護と業績維持を目的とした戦略にかかわる内容で,現在のビジネス環境を反映している」と指摘した。
また5位の「ビジネス・プロセスの効率化」は,政府機関,民間企業ともに組織内のミスや不正行為の削減に焦点を当てていることを示している。
■2008年に企業が重視するITの取り組みのトップ10
- 情報セキュリティ管理
- ITガバナンス
- 事業継続管理および災害復旧計画
- プライバシ管理
- ビジネス・プロセスの効率化
- 身元情報およびアクセス管理
- 保証基準および順守基準への準拠
- ビジネス・インテリジェンス
- モバイルおよびリモートのコンピューティング
- 文書,フォーム,コンテンツ,ナレッジの管理
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