英Juniper Researchは英国時間12月11日,モバイルWiMAX技術の今後の展望について調査した結果を発表した。それによると,2010年からモバイルWiMAX(通信規格はIEEE802.16e)対応製品やサービスが普及し始め,2013年までに利用者が8000万人に達するという。調査は,モバイルWiMAX市場のベンダーと通信事業者の上級管理職を対象に実施した。

 レポートによれば,モバイルWiMAX技術について2007年だけで50件を超える試験運用やネットワーク契約が発表されており,市場は世界全域で活気づいているという。サービスの売上高は,2010年までに世界全体で年間230億ドルを超え,世界の10カ国以上においてモバイルWiMAX対応機器の売上高が年間1億ドルを超えるようになるとしている。国別では,米国,日本,韓国がモバイルWiMAX市場のトップ3になるという。

 市場規模の拡大を促進する要因としては,低価格ノート・パソコンの登場,携帯型ミュージック/MP3プレーヤ,ゲーム・コンソールといった幅広い機器におけるブロードバンド接続機能の搭載などが挙げられている。しかし,この技術の普及に向けては,適切なデバイスとサービスの差別化が重要な鍵となるとしている。

 レポートを作成したHoward Wilcox氏は,次のようにコメントしている。「ベンダーには,適切なタイミングと価格で適切なデバイスを製造することが課題であり,モバイルWiMAXサービス・プロバイダにとっては,既存のモバイル通信事業者が提供するサービスとの差別化が課題となる。この2つの課題への対応に成功すれば,市場の発展を促進できるだろう」。

発表資料へ