調査内容 IT予算執行のずれ要因(業種別,企業規模別)
調査時期 2007年9月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 2073件(933件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスがITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に2007年9月に実施した調査で,「担当領域全般を俯瞰して見たとき,2007年8月の予算執行は予算通りではなかった」とする回答者の理由を,業種別と企業規模別に見る。今回,業種別の「流通業」と規模別の「中規模」が回答数30件に満たなかったため,参考値として図中でのみ紹介する。

 今回,製造業は全ての選択肢が前回と4ポイント以内の小幅な増減に止まった。ただし「新プロジェクトの発生」~「会計処理上の都合による執行予定の前倒し」の積極IT投資側の回答の比率を合計すると,前回の40.0%から今回は48.2%に約8ポイント増えている。

 サービス業では,消極IT投資側の「プロジェクトの先送り」が前回2007年8月調査(2007年7月実績)の35.2%から今回は24.6%に約10ポイント減。前々回2007年7月調査(2007年6月実績)の25.4%のレベルに戻った形だ。ただしサービス業の「プロジェクトの先送り」の約10ポイント減は,「会計処理上の都合による執行予定の先送り」と「工程見直しによる1カ月程度の先送り」の増加によってほぼ吸収されており,消極IT投資側全体の比率をみると前回の54.9%から今回は57.8%に約3ポイント増えている。

 企業規模別では,大規模ユーザー(回答者が担当するシステムの利用者が1000人以上)の「プロジェクトの先送り」が前回から約8ポイント減。ただし「会計処理上の都合による先送り」が約10ポイント増加しており,消極IT投資側の合計はサービス業と同様,約2ポイントの増加である。

 逆に小規模ユーザー(同300人未満)は,積極IT投資側の回答の合計比率が約10ポイント増加した。特に「新プロジェクトの発生」が,前回の25.3%から今回は33.7%に拡大したのが目立っている。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,前月(2007年8月)のシステム投資の執行額が予算に比べて超過または未達(未消化)になった理由を聞いた。担当・関与している情報システムの範囲を総合的に見て「予算執行が予算通りでなかった」とした回答者に限定して質問している。
 「製造業」は「機械製造」,「コンピュータ,周辺機器製造」,「その他電気・電子機器製造」,「上記3種以外の製造業」を合計した。
 「サービス業」は「サービス業(マスコミ,広告,デザイン,飲食店,その他)」,「専門サービス(弁護士/会計士など)」,「金融/証券/保険業」,「運輸/エネルギー」,「通信サービス」,「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」の合計。
 「流通業」は「商社」,「コンピュータ関連販売」,「上記2種以外の流通/小売」の合計である。
 なお本調査ではコンピュータ関連業種の回答者にも「自社の業務処理のためのIT投資」について回答することを求めた。
 「企業規模」は,「回答者が担当・関与する情報システムを利用している就業者数(従業員,パート/アルバイト,派遣就業者を含む)」について聞いたものである。
 調査実施時期は2007年9月中旬~下旬,調査全体の有効回答は2073件,「所属する企業・組織で自社の情報システムにかかわる業務(企画立案・設計・開発・運用・予算承認など)を担当している」とした実質的な有効回答は933件。

図1●2007年8月のIT予算執行が,予算通りでなかった理由(回答者の担当領域全般について,業種別)

図2●2007年8月のIT予算執行が,予算通りでなかった理由(回答者の担当領域全般について,企業規模別)