インスタント・メッセージを「使いたい」という人が44.5%,「使いたくない」という人が11.8%。インスタント・メッセージの利用経験のある人は少なくなく,その利便性を評価する声も多かった。しかし,その一方で,「煩わしい」「私用が多い」という厳しい意見も多かった。

 簡単なテキストをリアルタイムで送信できるインスタント・メッセージ。簡単に言えば,電話と電子メールの中間に位置づけられている。欧米ではそのメリットを認識され,業務に活用されている。しかし,日本国内ではなかなか業務利用が進んでいない。

 そこでITproでは,10月10日から10月16日にかけて「インスタント・メッセージの利用動向に関するアンケート」という調査を実施した。インスタント・メッセージの利用動向や評価について調べるのが目的である。アンケートに551人から回答を得た。

約7割がインスタント・メッセージの機能まで知っている

 まず,「インスタント・メッセージ」(IM)という言葉やツールの認知度を聞いてみた(図1)。「よく知っている」「およその機能を知っている」を合わせると,69.4%。約7割の人がIMの機能などをほぼ理解していることになる。

図1●インスタント・メッセージ(IM)を知っているか

 実際IMを利用したことがあるかというと,それほど多くはない。個人としての利用が46.0%と最も多い(図2)。利用経験がない人が34.2%であることから,なんらかのIMの利用経験があるのは63.8%ということである。

図2●IMの利用経験はあるか

 年齢別でみると,やはり若い世代のほうが利用経験者が多い(図3)。20歳代では,「利用したことはない」とする人が8.9%しかいない。91.1%に人がなんらかのIMを利用したことがある。若い世代ほど新しいツールに慣れ親しみやすく,いろいろなコミュニティでチャットなどに触れる機会が多いことを考えれば当然の結果といえる。

図3●年齢別利用経験

 では,IMをどのように評価しているか。メリットと感じる機能を聞いてみた(図4)。やはり,IMの基本である「リアルタイム・コミュニケーション機能」に72.4%の人が評価している。電子メールと違い,メッセージを送信すると,直ちに相手に届き表示される。この即時性があるからこそ,IMの存在価値があるともいえる。

図4●IMのメリットと感じるのは

 次に「プレゼンス(所在情報)がわかること」を57.7%の人が挙げた。製品やサービスにより把握できるプレゼンスはさまざまであるが,少なくとも相手がオンライン状態であるかどうかがわかる。メッセージを送るときだけでなく,電話をかけたり,相手先に出向いたりする際に利用できる。これに,「複数の相手と同時にコミュニケーションがとれること」「ファイルを送信できること」「相手がメッセージを読んだ(開封した)ことがわかること」が続く。

 プレゼンスがわかるため「いつ電話してもいない」,開封確認があるため「そんなメールは読んでいない」というすれ違いがなくなると評価する意見があった。