米Gartnerは米国時間10月17日，世界パソコン市場に関する調査結果を発表した。それによると，2007年第3四半期は全世界のパソコン出荷台数が6850万台に達し，前年同期から14.4％成長したという。
同社Client Computing Marketsグループ主任アナリストのMikako Kitagawa氏によると，
消費者分野が世界市場の成長を後押しした。「成熟市場では9月からの新学期に向けて需要が活性化した。またノート・パソコンの人気も，市場の成長に貢献している」（同氏）。
地域別にみると，欧州／中東／アフリカ（EMEA）が前年同期比16.4％増の2210万台，アジア太平洋地域（日本を除く）が同23.4％増の1870万台，中南米が同23.9％増の590万台だった。また，米国は前年同期比4.7％増で予測ほど伸びなかったが，ノート・パソコンの出荷台数が，デスクトップ・パソコンを初めて上回った。日本は企業向け市場の縮小により，同1.5％減となった。
ベンダー別にみると，米Hewlett-Packard（HP）が前年同期比33.1％増でトップを堅持。同社は世界の全地域において平均を上回る成長を見せており，5四半期連続で首位に立った。2位は同3.5％増の米Dell。EMEAとアジア太平洋地域が好調だった。3位は米Gatewayを買収して前年同期から58％伸びた台湾のAcer。GartnerはAcerが第4四半期に，4位の中国Lenovo Groupとの差をさらに拡大すると予測している。
また米IDCが同日発表した同様の調査によると，2007年第3四半期における世界パソコン市場の出荷台数は6685万台で，前年同期と比べ15.5％増加した。
世界市場におけるベンダー別出荷台数では，1位が前年同期比33％増のHP，2位が同3.8％増のDell，3位が同22.9％増のLenovoとなっている。以下，Acer（前年同期比59.2％）と東芝（同17.3％）が続く。
同社は今後2年間，パソコン市場の成長が続くと予測する。「価格の下落やベンダー間の競争に加え，パソコンの普及率が低い新興市場における消費者の収入増などが，市場の成長をけん引するだろう」（IDC，Worldwide Quarterly PC Tracker部門ディレクタのLoren Loverde氏）。
■2007年Q3の世界市場における上位5ベンダー別パソコン出荷台数 （速報値，単位：1000台） ベンダー 2007年Q3 2007年Q3 2006年Q3 2006年Q3 出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア 成長率 （％） （％） （％） （％） HP 12,845 18.8 9,648 16.1 33.1 Dell 9,856 14.4 9,521 15.9 3.5 Acer 5,545 8.1 3,509 5.9 58.0 Lenovo 5,480 8.0 4,462 7.5 22.8 東芝 3,018 4.4 2,461 4.1 22.6 その他 31,718 46.3 30,223 50.5 4.9 合計 68,462 100.0 59,825 100.0 14.4 注）デスクトップ・パソコン，ノート・パソコン，x86サーバーを含む 出典：Gartner（2007年10月）
■2007年Q3の世界市場における上位5ベンダー別パソコン出荷台数 （速報値，単位：1000台） ベンダー 2007年Q3 2007年Q3 2006年Q3 2006年Q3 出荷台数 市場シェア 出荷台数 市場シェア 成長率 （％） （％） （％） （％） HP 13,094 19.6 9,848 17.0 33.0 Dell 10,180 15.2 9,807 16.9 3.8 Lenovo 5,502 8.2 4,476 7.7 22.9 Acer 5,436 8.1 3,415 5.9 59.2 東芝 2,925 4.4 2,494 4.3 17.3 その他 29,713 44.4 27,859 48.1 6.7 合計 66,850 100.0 57,899 100.0 15.5 注） ・出荷台数は直接販売／チャネル販売をブランドごとに集計。OEM販売分については， 市場に出るベンダー／ブランド名で集計 ・デスクトップ・パソコン，ノート・パソコン，x86サーバーを含み， ハンドヘルドは対象外 ・ 数字は各ベンダーの会計年度ではなく，2007年の暦に基づく 出典：IDC（2007年10月）
