米Recommindは米国時間10月9日,北米企業における電子メール管理について調査した結果を発表した。それによると,多くの北米企業は電子証拠開示(eDiscovery)の要件を満たす準備ができていない可能性があるという。

 調査の対象となった従業員の70%以上は,電子メールの一部またはすべてのコピーを外部のロケーションに保存している。企業のIT部門や弁護団は,訴訟や捜索における要請に従って電子情報の提供が必要となった場合に,従業員が企業の電子メール管理システムの監視下から移動した大量の電子メールを外部に保存していることにより,難しい立場に追い込まれる可能性があるという。

 米国における連邦民事訴訟規則(FRCP,Federal Rules of Civil Procedure)が2006年12月に改訂された結果,企業は電子メールなどの電子的に保存された情報を迅速かつ正確に提出することが義務付けられている。従業員が企業の管理する情報保存プロセスの外で電子メールを保持しているために証拠となる記録を提出できなかった場合,企業は罰金などの制裁が加えられる可能性もある。

 このほかにも,高価なストレージ・リソースが重要性の低い電子メールの保存で無駄に使われていることが明らかになった。回答者は,日常的に受信して保存する電子メールの58%以上を「保存しなくても支障が無い」または「重要ではない」と分類している。多くの企業は,これらのメッセージを自動的に高価なサーバー・ベースの電子メール・アーカイブに保存しているため,ストレージ・コストがさらに高くなっているという。

 また,従業員の90%は,雇用主が電子メールの保存を管理する権限を持つこと認めており,83%は自分の電子メールが訴訟における証拠として使用される可能性があることを理解していることが分かった。

 Recommindのマーケティング担当副社長を務めるCraig Carpenter氏は,「従業員は,訴訟における電子メールの重要性について理解するようになってきている。今回の調査結果は,従業員がIT部門と法務部門と協調しなかった場合に,訴訟への準備が困難で費用がかかる可能性があることを示すものとなった」とコメントしている。

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