日経マーケット・アクセスが2007年6月~7月に,NGN(次世代ネットワーク)につい行った。そのアンケート調査からNGN上の様々なサービスに対して,今回は個人ユーザーの期待値について調査結果を報告する。

 個人ユーザーを対象に調べたサービスは20種。(1)四つのコミュニケーション関連サービス,(2)五つの動画関連サービス,(3)二つのネット・セキュリティ関連サービス,(4)五つのリアル・セキュリティ関連サービス,(5)四つのその他サービス---である(表1)。大部分のものはNTTが行っているNGNのフィールド・トライアルで試行されているものだ。

表1●アンケートで調べたNGN上の個人向けサービス
表1●アンケートで調べたNGN上の個人向けサービス

 企業編と同様,回答者にはこれらのサービスそれぞれに付いて,「使いたい」「どちらかというと使いたい」「どちらかというと使いたくない」「使いたくない」「分からない」から選択してもらい,「使いたい」を100,「どちらかというと使いたい」を66.7,「どちらかというと使いたくない」を33.3、「使いたくない」を0として加重平均した結果を期待値のインデックスとして算出した。

期待値高いサービスが多いセキュリティ系

 期待値インデックスの結果を図1に示した。

図1●個人向けNGNサービスの期待値インデックス
図1●個人向けNGNサービスの期待値インデックス

 コミュニケーション関連サービスの中では,「携帯電話端末を家の中では固定電話経由で通話できるサービス」が一番期待値が高かった。この結果は企業ユーザーと一致する。ただ,期待値インデックスが67.3というのはさほど高いとは言えない。より詳しく見てみるとこのサービスは女性より男性の期待値がかなり高く,年令が低い方が期待値が高くなっている。50歳以上の年齢層だけを見ると「高音質の電話サービス」の方が期待値が高い。

 動画関連サービスでは「見逃したテレビ番組を一定期間見られるようにするサービス」が期待値インデックス76.3とかなり高く,次いで「ネット上のサーバーでビデオの録画ができ,どこからでも見られるようになるサービス」の66.1となっている。ハイビジョンのような高画質よりも,時間や場所の制約をなくすことの方がニーズが大きい。

 なお,見逃し視聴のサービスは,NTTコミュニケーションズがNHKと協力してNTTのNGNフィールド・トライアルで提供しており,実サービスとしても早期に使えるようになることが期待できる。

 全般に期待値インデックスが高かったのがネット・セキュリティ関連サービスとリアル・セキュリティ関連サービスだ。

 特に,「ウイルスなどからの攻撃を防ぐサービス」「災害時の安否情報共有サービス」は期待値インデックスが80超と高得点だった。「緊急地震速報配信サービス」が78.6,「ホーム・セキュリティ・サービス」が71.2と,期待値インデックスが70を超えたサービス6種類のうち4種類がこの分野のサービスだった。これらのサービスは男女による差や年令による差が小さいという特徴がある。

 その他のサービスでは「通信速度が保証されたインターネット接続サービス」が期待値インデックス80.4とトップ3に入った。