地上波テレビ放送のデジタル化に必要な2011年までの設備投資総額が1兆円を超えることが,日本民間放送連盟の調査で明らかになった(発表資料)。民放連が2007年9月12日に発表した調査結果(2007年6月時点)によると,地上波民放テレビ事業者全127社の2011年までの投資額は1兆440億円となり,2003年8月に試算した金額(8082億円)に比べて29.1%の増加となった。投資総額の57.5%に当たる6008億円が2006年度までに投資され,2007年度以降に必要な投資は4432億円になる見通しである。

 投資総額の内訳をみると,親局・中継局への投資額が全体の25.9%に当たる2702億円,送出・制作設備への投資額が同74.1%に当たる7738億円である。2003年8月の試算値に比べると,親局・中継局への投資額は減少した。中継局の設置個所の精査を行い効率的に設置した結果,投資額を4分の3に圧縮することが可能になった。一方,送出・制作設備への投資額は約60%増加した。データ放送や携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」などの送出設備の拡充のほか,制作設備のハイビジョン対応などが,投資額が増加した大きな要因である。