電気通信事業者協会(TCA)は9月7日,2007年8月末時点の携帯電話・PHS契約数の速報値を発表した。事業者別の純増数は,前月比18万8900増のソフトバンクモバイルが4カ月連続で首位。一方,純増3位のNTTドコモは,前月比マイナス2万2900の純減に転落した。

 2位はKDDIで,純増数は前月比15万8500増。ブランド別では,auが同20万3000の純増で,新規加入の受け付けを停止しているツーカーが同4万4500の純減だった。KDDIの数字は両者を相殺したものである。

 NTTドコモは,純減に転落した理由について「8月22日に開始した『ファミ割MAX50』と『ひとりでも割50』に注力するため,夏のキャンペーンを7月で打ち切った。そのため8月22日までの間,ドコモと他社で端末の割安感に差が出た」と分析。9月以降は新プランをアピールしていくことで,新規契約数を回復させるとしている。

 携帯電話全体では,前月比32万4500増の累計9887万7700となった。各事業者の累計加入者数は,首位のNTTドコモが5290万4200,2位のKDDIが2905万9100(うちauが2854万7300,ツーカーが51万1900),3位のソフトバンクモバイルが1685万4200である。イー・モバイルは四半期ごとに速報値を発表するため,今回の集計で純増数はカウントしていない。6月末時点の契約数は6万200である。

 なお,NTTドコモの値には端末1台で2契約できるサービス「2in1」の数字を含まない。2in1を利用して2回線分の契約をしている場合でも,集計上は1契約とカウントしている。2in1の契約数は前月比2万5000増で累計で13万9400になった。

 TCAの発表では,純増数の契約種別内訳も示している。自動販売機や防犯器具などに利用する通信モジュールは,NTTドコモが前月比3万9800増の累計121万6100契約,KDDIが同1万900増の累計76万1500契約,ソフトバンクモバイルが純増ゼロの累計1500契約となっている。

 プリペイド契約の増減については,NTTドコモが前月比700減の4万2300契約になった。KDDIは,auが前月比7500増の累計44万6900契約,ツーカーが同1万3500減の累計30万2700契約。KDDI全体では同6000減の累計74万9600契約となった。ソフトバンクモバイルは,同3万5300減の144万2000契約となった。

 番号ポータビリティ(MNP)の利用動向は,転入と転出の差し引きでNTTドコモが前月比9万200のマイナス,KDDIが同7万1200増(auが7万3200増,ツーカーが2000減),ソフトバンクモバイルが同1万8900増となった。MNPの開始以降続くKDDIの“王座”が揺るがない一方,NTTドコモの一人負けが続いている。

 PHSは,ウィルコムが前月比1万3900減の累計464万5200。2004年2月以来3年半ぶりの純減に転落した。2008年1月7日にサービスを終了する予定のNTTドコモのPHSは,同2万2200減の33万400だった。PHS全体では,前月比3万6100減の累計497万5600。5カ月ぶりに500万契約を割り込んだ。

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