米Osterman Researchは現地時間9月5日,企業に対する電子メールの開示要請について調査した結果を発表した。それによると,電子メールの開示要請は,企業のITリソースに大きな負担をかけていることが明らかになった。今回の調査は,電子メール・アーカイブを設置していない米国企業102社を対象に2007年7月1日~19日に実施した。

 調査によれば,企業のIT部門は年間平均22件の訴訟関連の要請を受けているという。従業員1000人以上の企業では,この数が年間平均37件に増加する。法的な開示要請のほかにも,IT部門は企業から年間平均37件,規制または監査関連で25件,エンド・ユーザーから107件の要請を受けていることが分かった。

 調査を依頼した米FortivaのCEO(最高経営責任者)を務めるEric Goodwin氏は,「電子メールの開示要請は,過去10年間で急激に増えているが,自社のITリソースに与える影響を理解している企業はほとんどない」と指摘。「アーカイブが整っていれば,これまで数カ月かかっていた開示要請への対応が1日以内に完了でき,法的リスクも大きく軽減できるだろう」としている。

 調査によれば,1件の法的な開示要請に対して電子メールの生データを取り出すまでにおよそ1カ月かかるという。これには,データの法的見直しにかかる時間を入れていないため,IT部門はさらに時間を費やす必要があるという。

 そのほかの主な調査結果は次の通り。

・開示要請の対応には時間が必要とされるだけでなく,ほかのプロジェクトにもマイナスの影響がある。調査対象となった企業の4分の1は,法的な開示要請に対応するために,事業またはITプロジェクトに遅れが出たとしている。

・それぞれの開示要請に対し,IT部門がかける時間の半分以上(58%)がバックアップの収集,復元,検索などに費やされている。残りの25%はPSTファイルの検索,17%が電子メール・サーバーの検索にかけられている。

・企業は平均して24カ月分のデータをバックアップ・テープに保存している。

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