米Cisco Systemsは米国時間8月21日,企業のモバイル・ユーザーのセキュリティに対する意識調査の結果を発表した。それによると,企業のIT部門は,ユーザーへの教育を通じてセキュリティへの意識を高めることで,企業セキュリティに対する事前策を講じることができるとしている。

 調査は,Ciscoと全米サイバー・セキュリティ連盟(NCSA)が米調査会社InsightExpressに委託して実施したもの。米国,英国,ドイツ,中国,ドイツ,韓国,シンガポールの7カ国のモバイル・ワーカー700人以上が回答した。

 調査によれば,モバイル・ユーザーの73%は,セキュリティの脅威とそれに対する適切な行動について常に認識しているわけではないと答えている。回答者の多くは,これらについて「ときどき」意識していると答えているが,28%はセキュリティ・リスクや適切な対応などについて「ほとんど」または「まったく」考えたことがないと認めている。その理由として「仕事が忙しい」「セキュリティは自分の最関心事項ではない」「IT部門の仕事であり,自分の仕事ではない」などを挙げている。

 対象となったモバイル・ユーザーの3分の1は,近くの無線接続をハイジャックしたり,公共の場で無線アクセスを無許可のまま利用したことがあると答えている。この割合は中国が54%で最も高く,ドイツが46%,韓国が44%と続いた。これら回答者は,権限のない無線接続を利用した理由として,「自分が誰の接続を利用しているのか分からない」「自分のサービスでは接続できなかった」「サービス使用料を払いたくなかった」などを挙げている。

 回答者の44%は,知らない人または不審な送信元からの電子メールや添付ファイルを開いていると答えた。中国,インド,英国では半数以上がこのような行為を認めている。76%は,ハンドヘルド機やスマートフォン上ではスクリーンが小さいため,不審な電子メールやファイルを識別しにくいと答えている。

 Ciscoのセキュリティ・ソリューション担当副社長であるJeff Platon氏は,「モバイル・ユーザーのセキュリティ問題を解消するために技術は重要である。しかし,IT部門はユーザーへの教育とコミュニケーションを通じて,企業のセキュリティに対して事前に対策を講じることができる」と指摘している。

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