英Juniper Researchは英国時間8月7日,世界モバイル・ブロードバンド市場に関する調査結果を発表した。それによると,2012年にはモバイル・サービス加入者の3分の1弱にあたる12億人が,モバイル・ブロードバンド接続を利用するようになるという。利用者の増加は北米と西欧が中心だが,極東地域および中国の需要も多いとみる。
2012年におけるモバイル・ブロードバンド接続サービス市場の売上高は,年額4000億ドルを超えると予測する。
通信方式別にみると,2012までにモバイル・ブロードバンド接続ユーザーの約70%がHSPA方式を利用すると見込む。HSPAの次にユーザーが多い方式は,米大陸と極東で広く普及するEV-DO(Revision AおよびB)となる。
HSPAについて,Juniper ResearchのHoward Wilcox氏は「HSPA対応サービスが2007年時点で実際に存在し,最新のモバイル・ブロードバンド技術となっており,短中期的に多く導入される予定だ。第3世代(3G)サービス・プロバイダは,新たにネットワーク投資を行うことなく,ソフトウエアをアップグレードすればHSPAに対応できる」と述べる。
またHoward Wilcox氏によると,2006年はモバイルWiMAX(IEEE802.16e-2005)市場の動きが活発だったという。「モバイルWiMAXは,2012年までに世界モバイル・ブロードバンド利用者の1割未満を確保できる技術になった。新たなネットワークが構築され,新たなアプリケーションが導入されることで,2012年以降に大きく拡大するだろう」(同氏)
なおJuniper Researchは,これらの予測に対する不確定要素として,超低価格ノート・パソコンの登場と,携帯用音楽プレーヤやゲーム機に対するブロードバンド接続機能の搭載を挙げた。
米メディア(CNET News.com)によると,現在HSPAユーザーは全世界に約500万人おり,HSDPA(HSPAの下り方向通信規格)対応機器は128種類(携帯電話機46種,データ通信カード32種,ノート・パソコン30種,MP3プレーヤ1種などを含む)あるという。
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