投資会社の米Veronis Suhler Stevenson(VSS)は米国時間8月7日,米国のメディア市場に関する調査結果を発表した。それによると,2006年のメディア支出は前年比6.8%増の8852億ドルで,過去最高を記録した。また,2001~2006年にかけては年平均5.9%成長した。同社によると,「いずれもGDPの伸びを上回る成長率」。

 調査結果によると,2007年のメディア支出は前年比6.4%増加する見込みで,2006~2011年の年平均成長率は6.7%と見る。また,2008年にはメディア支出が1兆ドルを突破し,2011年には1兆2220億ドルに達する見通しだ。

 成長を後押しするのは,インターネットを含めた新しいメディアの浸透と,職場ユーザーによるインターネット利用の増加。VSSは2011年に,インターネット広告が新聞広告を抜いて619億8000万ドル規模に達し,米国最大の広告メディアになると予測する。

 2006年における消費者1人当たりのメディア利用時間は,前年比0.5%減の3530時間。前年より減少したのは1997年以来初めて。VSSはその理由を「デジタル・メディアの効率性と,消費者行動の変化が原因」と説明する。「ニュースやエンターテインメントのために,インターネットを利用する人が増えている。テレビ番組だと少なくとも30分視聴するのに対し,ビデオ投稿サイトの視聴時間はせいぜい5~7分だ」(同社)。

 一方,2006年における職場ユーザー1人当たりのメディア利用時間は260時間で,前年比3.2%増加した。2001~2006年にかけて年平均3.3%拡大している。同社によると,「ビジネスの生産性を向上するために,社内におけるデジタル・プラットフォームの普及が進んだため」。職場ユーザーによるメディアの利用時間は,2007~2011年にかけて継続的に増加する見通し。

[発表資料へ]