調査内容 IT関連キーワードの認知度・業務への影響・利用状況
調査時期 2007年6月中旬
調査対象 ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者
有効回答 1661件(659件)
( )内は情報システム担当者の有効回答数

 日経マーケット・アクセスでは,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,最新あるいは注目のIT関連キーワードを毎月三つずつ挙げて,その認知度,業務への影響と利用の状況について聞いている。2007年6月調査では,「アジャイル開発プロセス」「プレゼンス(所在/状況確認)管理」「PLM(製品ライフサイクル管理)」を取り上げた。このうち「アジャイル開発プロセス」は「聞いたことがない」回答者がまだ4割以上もいるが,既知とした回答者の中ではテスト~全社運用段階まで進んでいる比率が比較的高い。「プレゼンス管理」もまだ認知度が低かった。

 ソフトウエアの生産性を向上する手法として期待される「アジャイル開発プロセス」は,既知とした回答者の中では「自分の業務と深い関わりがある」が25%以上。また利用状況で「一部の部門,業務で試験的に運用されている」が約1割と多く,2006年10月調査の「BPM(ビジネス・プロセス管理)」,前々回2007年4月調査の「PMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系)」に近い。

 IP電話や社内チャット(インスタント・メッセージ)の普及とともに,その利点として話題に上ることが増えてきた「プレゼンス(所在/状況確認)管理」。しかし「名前だけは聞いたことがある」「聞いたことがない」回答者が合計で75%と高率で,まだあまり理解が進んでいない。既知とした回答者の中で「自分の業務と深い関わりがある」は2割弱。利用状況は「全社的に運用」「一部の部門・業務で運用」「一部で試験運用」を合わせて23.0%。利用状況スコア1.75は過去のこの調査で挙げたキーワードの中位クラスで,認知度スコアや業務への影響度のスコアの低さから見れば,比較的高い。

 製品の企画から開発,調達,生産,販売,保守,廃棄にいたるライフサイクル全体にわたり,製品の情報を一元管理しようという「PLM(製品ライフサイクル管理)」。認知度では「業務に通用する十分な知識がある」と「ある程度理解している」はさほど高くないものの,「名前だけは聞いたことがある」(34.2%)はこの調査で挙げたキーワードの中で3番目(ともに2006年9月調査での「Web2.0」「モバイル・セントレックス」に次ぐ)だった。

■調査概要
 日経マーケット・アクセスが,ITpro Researchモニターに登録している企業情報システム担当者を対象に,IT関連の最近のキーワードの認知度,自身の業務への影響をどう見ているか,回答者の所属組織での利用状況を聞いた。
 「認知度」は四択の質問で「業務に通用する十分な知識がある」を5,「内容をある程度理解している」を3.67,「名前だけは聞いたことがある」を2.33,「聞いたことがない」を1点にスコア換算した。
 同様に「業務への影響」は三択で「自分の業務と深い関わりがある」を5,「今は関わりがないが,将来関係するかもしれない」を3,「自分の業務には関係ない」を1点に換算。
 「応用/利用状況」は五択で「全社的に運用されている」を5,「一部の部門,業務で運用されている」を4,「一部の部門,業務で試験的に運用されている」を3,「導入を計画している」を2,「導入/利用計画はまだ具体化していない」を1点に換算した。
 調査実施時期は2007年6月中旬,調査全体の有効回答は1661件,うち情報システム担当者の有効回答は659件。

図1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度・業務への影響・利用状況

図2-1●情報システム担当者の最新キーワードの認知度

図2-2●情報システム担当者の最新キーワードの業務への影響

図2-3●情報システム担当者の最新キーワードの利用状況