欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)はベルギーで現地時間8月2日,携帯電話の新しいローミング料金規制「EU Roaming Regulation」の導入状況に関する調査結果を発表した。それによると,大半の携帯電話事業者は新料金規制を採用済みで,順調に導入が進んでいるという。

 EU Roaming Regulationは,EU内での国際ローミングに対し,上限付き料金制度「Eurotariff」の適用を携帯電話事業者に義務付けている。発信の際のローミング料金は毎分0.49ユーロ(68セント),着信は毎分0.24ユーロ(33セント)を上限とする。導入期限は7月30日で,今後段階的に料金を引き下げる予定。

 ECはこれまで,27加盟国内の携帯事業者95社中74社から導入状況の問い合わせに対する回答を受け取った。各事業者からの回答の詳細は,ECのWebサイトで公表している。

 一部の携帯電話事業者は7月1日または7月の第一週目にさっそくEurotariffを導入していたという。最も料金が低かったのは,発信通話料金が毎分31.5セント,着信通話料金が12.6セント。ローミングを頻繁に利用する顧客に対して,特別料金設定を提供する事業者もあった。

 「新しい料金制度が発効して1カ月たつが,欧州の約50%の消費者が恩恵を受けた。しかし,この料金規制に明らかに準拠しない加盟国があれば,何らかの制裁が加えられるだろう」と欧州委員会情報社会およびメディア担当委員のViviane Reding氏は述べた。

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