「4大都市圏に住むネット利用者の半数は電子マネーを保有している。ただし,買い物に利用している人は25%にとどまる」--。野村総合研究所は7月17日,4大都市圏(首都圏,東海,近畿,福岡)在住のインターネット・ユーザー2500人を対象とする「電子マネーに関するアンケート」の調査結果を発表した。それによると,何らかの電子マネーを保有する人は,全体の49.1%に達する。ただし,買い物に利用している人は25.1%にとどまっており,16.8%が「交通機関の切符や定期券としてのみ利用」しており,「保有しているが,まったく使っていない」という人も7.2%いた。

 同調査では,電子マネーを買い物に利用している人に「メインに使っている電子マネー」を尋ねた。それによると,独立系のEdyが47.5%で最も多く,鉄道系のSuica(28.4%),PASMO(6.4%)がこれに続く。メイン電子マネーの月間平均利用回数は6回,平均利用単価は700円となる。

 「今後の保有意向」で今後持ちたい電子マネーをエリア別に見ると,首都圏ではPASMOが27.4%,近畿ではICOCAが17.6%,PiTaPaが23.6%と,鉄道系電子マネーが抜きん出ている。野村総研では,「定期券以外の新規発行を中止しているPASMOが9月に新規発行を再開する」「福岡の西日本鉄道,東海地区の名古屋鉄道が2008年以降に電子マネーの発行を予定している」ため,今後は鉄道系電子マネーが“メイン電子マネー”としてのシェアを拡大していくと予測している。

 利用場所はコンビニエンスストアが55.7%,駅構内や駅ビル内の小売店が40.5%と突出している。また,電子マネーの形態は「単体」は35.9%にとどまり,残りは「おサイフケータイとして携帯電話と一体化」(18.5%),「クレジットカードと一体化」(16.6%)など,多機能タイプが過半数を占める。

 今回のアンケート調査は,鉄道系電子マネーが普及している首都圏と近畿でそれぞれ1000人ずつ,東海と福岡で250人ずつの計2500人を対象に実施した。実施時期は2007年5月18日から5月21日。調査では野村総研のインターネットリサーチサービスTRUENAVEを利用した。