米ABI Researchは米国時間7月11日,インターネット上のビデオ視聴について調査した結果を発表した。それによると,インターネット上でビデオを鑑賞する視聴者の数は現在約3億人だが,2012年までに10億人に達するという。さらにABIは,今後数年間で配信チャネルが増加するため,広告収入で配信されるビデオと有料ビデオの両方の視聴が増加すると予想している。

 ABIによれば,ゴールデン・タイムのテレビ番組を含め,テレビ放送のコンテンツがオンライン上で配信される場合には,広告収入で配信されることが予想される。映画コンテンツでは,消費者側が料金を払う場合が多くなるという。ユーザーが作成するコンテンツ(UGC)については,動画共有サイト「YouTube」やソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)で広告収入により配信される。

 広告収入によるビデオ配信では,大手SNSの「MySpace」とともに,ピア・ツー・ピア(PtoP)の動画配信システム「Joost」といった新しいシンジケーション・ネットワークやビデオ・ポータルのユーザー基盤が急速に拡大すると予想される。一方,有料ビデオは,ハードウエア・プラットフォームからコンテンツにアクセスしやすい「iTunes」などを通じて利用者が増加するという。インターネット対応のハードウエア・プラットフォームの増加により,今後数年間でインターネット・ビデオをテレビに直接ダウンロードするモデルが発展するという。

 このほかにも,ABIによれば,これらのサービスを提供するためのコンテンツ管理,パブリッシング,CDN(コンテンツ・デリバリ・ネットワーク)といったバックエンドのサービスも成長しているという。

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