米国のソフトウエア関連業界団体Software & Information Industry Association(SIIA)は米国時間7月11日,過去10年間にeコマース分野に多大な影響を与えたと思われる存在あるいは事象のトップ10を発表した。1位は「Google」で,SIIAはその理由を「人々のインターネットの使い方を根底から覆した」と説明している。2位は「米国ブロードバンド・ユーザーが50%に到達」,3位は「eBay」だった。

 「トップ10に入ったブロードバンド接続やWi-Fi接続の普及は,10年前には存在していなかったが,いまやeコマースを支える基盤となっている。人々の働き方や生き方に大きな影響を与えているiTunesやユーザー作成型コンテンツ(UGC)も忘れてはならない」(SIIA会長のKen Wasch氏)

eコマースに影響を与えたトップ10は以下の通り。

1. Google(1998年9月に設立):インターネット・ユーザーの30%が使用しており,精度の高い検索機能,地図サービス,ターゲット広告など,さまざまな側面からインターネットのあり方を変えた。米国人が2007年2月に行った検索は69億件にのぼり,その約半数にGoogleが使われた。

2. 米国のブロードバンド・ユーザーが50%に到達(2004年6月):ブロードバンド接続の普及により,eコマースをはじめ,コンテンツの利用や共有,通信のあり方が変わった。2007年末には米国のブロードバンド・ユーザーが90%に達する見通し。

3. eBay(1997年9月に開設):オークション・サイトのeBayは,インターネットを使って国内だけでなく海外市場にすばやくアクセスできることを示した。

4. Amazon.com(1997年5月に新規株式公開):オンライン・ストアの先駆けとして範を示し,幅広い品揃えで人気を集めた。株式公開によって,eコマースの社会的地位を確立した。

5. Google Ad Words(2000年にサービス開始):効率的に顧客をターゲットできるキーワード広告を広めた。キーワード広告は現在,オンライン広告の40%を占めており,市場規模は68億ドル。

6. オープン標準(1997年にHTML 4.0が公開):Webの世界で,最も影響力があり重要な標準仕様。オープン標準は,業界全体の成長をけん引できる力を持つ。

7. Wi-Fi(1997年に802.11規格が策定):デスクトップやケーブルの制限を受けることがない,モバイル・ソリューションの普及を後押しした。

8. ユーザー作成型コンテンツ(2005年にYouTube開設):YouTubeは,Web 2.0を体現する存在。あらゆるユーザーが情報を発信できる“市民ジャーナリスト”時代の到来を物語っている。

9. iTunes(2001年にリリース):合法的なデジタル音楽市場を確立し,音楽業界に革新をもたらした。2006年に,インターネットもしくは携帯電話を通じて販売された音楽は20億ドルを超え,前年から倍増した。音楽市場で,デジタル音楽の売上高が占める割合は約10%。

10. BlackBerry(1999年に発売):包括的なコミュニケーション機器としてモバイル通信を可能にし,時間と場所を問わずeコマースを利用できるようにした。

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