米JupiterResearchは米国時間6月25日,米国における音楽対応携帯電話の利用状況に関する調査結果を発表した。それによると,音楽対応携帯電話を購入する消費者は増加しているものの,音楽機能自体は十分に活用されないという。

 2007年末には,音楽対応携帯電話を所有する米国消費者が約2790万人に達する見通し。しかし現時点では,パソコンから携帯電話に音楽を転送しているユーザーは約5%に過ぎず,無線(OTA:over-the-air)ダウンロードを行うユーザーはわずか2%である。

 音楽対応携帯電話には,電話と音楽という2つの機能が実装されるため,携帯電話の機能性に妥協が生じることがある。また,高額なOTAダウンロードや,携帯音楽プレーヤの普及といったハードルも存在する。

 同社は,今週末にリリースされる米Appleの携帯電話「iPhone」も,音楽機能の普及を後押しする要因としては不十分とみる。同社リサーチ担当ディレクタのJoe Laszlo氏は,「iPhoneによって,競合他社の音楽対応携帯電話に対する消費者の意識や関心は高まるだろう。しかし,iPhoneそのものが独自の市場セグメントをターゲットにしているため,他社が真似をして競争するのは困難」と指摘する。

 音楽機能の利用を拡大するには,音楽を衝動買いするという20%の消費者への働きかけ,音楽愛好家向けモバイル・コミュニティの構築などがカギとなる。

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