日経SYSTEMSが実施した開発支援ツールの利用実態調査。その結果を報告する。2回目は,利用者によるツールの評価に注目する。

 調査では利用した開発支援ツールについて,「作業の効率向上に役立つ」など10個の項目を4段階(「そう思う」「まあそう思う」「あまりそうは思わない」「そう思わない」)で評価してもらった。その結果を100点満点に換算。全10項目の総合評価を「満足度」として算出し,上位10位までのランキングを示した(表1)。また,個々の評価項目ごとの上位5位までのランキングも示した(表2から表11)。

評価項目1.作業の効率向上に役立つ
評価項目2.作業や成果物の品質向上に役立つ
評価項目3.インストールや初期設定がしやすい
評価項目4.使えるようになるまでにかかる時間が短くて済む
評価項目5.ツールの安定性が高い
評価項目6.ツールの機能が充実している
評価項目7.ツールの使い勝手がよい
評価項目8.利用する上で必要な情報をWebなどから入手しやすい
評価項目9.購入したり使いこなしたりするのにかかる費用は少なくても済む
評価項目10.サポート体制が充実している

表1●満足度(総合評価の上位10位)
表1●満足度(総合評価の上位10位まで)
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表2●作業の効率向上への役立ち度(評価項目1の上位5位まで)
表2●作業の効率向上への役立ち度(評価項目1の上位5位まで)
評価項目1.作業の効率向上に役立つ

表3●作業や成果物の品質向上への役立ち度(評価項目2の上位5位まで)
表3●作業や成果物の品質向上への役立ち度(評価項目2の上位5位まで)
評価項目2.作業や成果物の品質向上に役立つ

表4●インストールや初期設定のしやすさ(評価項目3の上位5位まで)
表4●インストールや初期設定のしやすさ(評価項目3の上位5位まで)
評価項目3.インストールや初期設定がしやすい

表5●使えるようになるまでの期間の短さ(評価項目4の上位5位まで)
表5●使えるようになるまでの期間の短さ(評価項目4の上位5位まで)
評価項目4.使えるようになるまでにかかる時間が短くて済む

表6●ツールの安定性(評価項目5の上位5位まで)
表6●ツールの安定性(評価項目5の上位5位まで)
評価項目5.ツールの安定性が高い

表7●機能の充実度(評価項目6の上位5位まで)
表7●機能の充実度(評価項目6の上位5位まで)
評価項目6.ツールの機能が充実している

表8●ツールの使い勝手(評価項目7の上位5位まで)
表8●ツールの使い勝手(評価項目7の上位5位まで)
評価項目7.ツールの使い勝手がよい

表9●利用する上での情報の入手しやすさ(評価項目8の上位5位まで)
表9●利用する上での情報の入手しやすさ(評価項目8の上位5位まで)
評価項目8.利用する上で必要な情報をWebなどから入手しやすい

表10●購入や使いこなしにかかる費用の少なさ(評価項目9の上位5位まで)
表10●購入や使いこなしにかかる費用の少なさ(評価項目9の上位5位まで)
評価項目9.購入したり使いこなしたりするのにかかる費用は少なくても済む

表11●サポート体制の充実度(評価項目10の上位5位まで)
表11●サポート体制の充実度(評価項目10の上位5位まで)
評価項目10.サポート体制が充実している

 総合評価で1位になったのは,プログラミング・ツールの「Eclipse」である。効率向上(評価項目1),機能の充実度(同6),使い勝手(同7),情報の入手しやすさ(同8)の4項目でトップだった。Eclipseは利用者数でも全体で2位であり,多くのユーザーのお気に入りのツールだと言えよう。

 一方,利用者数で1位だったVisual Studioは,サポート体制の充実(評価項目10)ではトップだったものの,総合評価では10位にとどまる。

 評価結果で目に付くのは,総合2位の「Subversion」(変更/構成管理ツール)と,総合6位の「JUDE」(分析/設計ツール)である。Subversionは,品質向上(評価項目2),ツールの安定性(同5),費用(同9)の3項目でトップに,JUDEは,インストールや初期設定のしやすさ(評価項目3),使えるようになるまでの期間の短さ(同4)の2項目でトップの評価を得た。

 なお,総合評価の「満足度」の算出において,「評価項目1.作業の効率向上に役立つ」と「評価項目2.作業や成果物の品質向上に役立つ」の2項目はほかの項目に比べて重要だと判断し,3倍の重み付けを行った。また,ランキングの対象は,調査の結果,20人以上が利用していた13製品に限定している。同じツールが複数分野で使われている場合,それらは別々に評価した。