日経SYSTEMSが実施した開発支援ツールの利用実態調査。その結果を報告する。

 全体を総括すると,「Microsoft製品とオープンソース製品(無償製品含む)の存在感が大きい」という結果になった。前者の代表は「Visual Studio」で,後者の代表は「Eclipse」である。今回対象とした全ツールのなかで,Visual Studioは一番利用者数が多く,2位がEclipseだった。この二つのツールの利用者数は飛び抜けて多かった。

 興味深いのは,Visual Studioユーザーはほかの分野でもMicrosoft製品を選ぶ傾向が強く,Eclipseユーザーはほかの分野でもオープンソース製品を選ぶ傾向が強いことだ。2大陣営という様相を呈している。

 最も顕著な傾向を示したのが,変更/構成管理ツールの分野である(図1)。Visual Studioユーザーに限れば,同分野のツールの利用者数1位は「Visual SourceSafe」(Microsoft)で,そのシェアは76.1%にもなる。この分野の有力製品であるオープンソースの「CVS」は7.5%と少数派だ。一方,Eclipseユーザーに限れば,同分野のツールの利用者数1位は「CVS」。そのシェアは49.4%だった。「Visual SourceSafe」は4位でシェアは9.1%と小さい。

図1●変更/構成管理分野で利用されたツールの内訳
図1●変更/構成管理分野で利用されたツールの内訳
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 単体テスト・ツールの分野でも,2大陣営の傾向は見られる(図2)。この分野に該当するMicrosoft製品は「Visual Studio 2005 Team System」で,Visual Studioユーザーの21.9%がこの製品を使っている。だが,Eclipseユーザーに限ればオープンソース・ツール「xUnit」のシュアが68.8%に達っし,Microsoft製品だけでなく市販ツールの存在感はほとんどない。

図2●単体テスト分野で利用されたツールの内訳
図2●単体テスト分野で利用されたツールの内訳
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 分析/設計ツールの分野でも同様である(図3)。Visual Studioユーザーに限れば,同分野のツールの利用者数1位は「Office Visio」(Microsoft)。シェアは54.0%と半分以上を占める。一方Eclipseユーザーの場合,シェアの1位は「JUDE」(チェンジビジョン)でシェアは33.9%だった。JUDEには有償版と無償版があり,おそらく無償版が多く使われたと考えられる。Office Visioは2位だがシェアは14.5%で,JUDEの半分以下である。

図3●分析/設計分野で利用されたツールの内訳
図3●分析/設計分野で利用されたツールの内訳
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