米Googleがこのたび実施した調査によると,「米MicrosoftのWebサーバー・ソフトIISがホスティングしているWebサイトは,不正ソフト(マルウエア)を含んでいる確率が高い」という。同社マルウエア対策チームのNagendra Modadugu氏が,米国時間6月5日に同社公式ブログへの投稿で調査結果を発表した。

 インターネットで利用されているWebサーバー・ソフトの内訳をみると,「Apache」が66%,「IIS」が23%,「nginx」が4%,「その他」が7%だった。しかし,マルウエアを配布している,あるいはマルウエアが潜むサイトをホスティングしているサーバーのうち,IISとApacheがそれぞれ49%で同じ割合を占めている。IISサーバーの利用率がApacheの3分の1程度であることを考慮すると,WebユーザーはIISサーバーのほうがマルウエアに接する確率が高いとうわけだ。

 一方,国別のサーバー・ソフト利用率をみると,米国,中国,ロシア,ドイツ,韓国のいずれの国でもApacheが優勢で,約60%を超えていた。このうち,マルウエアを配布しているサーバー・ソフトの割合を国別でみると,例えばドイツでは利用率に比例してApacheが圧倒的に多かった。それに対して,中国や韓国といったアジア諸国ではIISがApacheを上回った。
 
 このことから,Googleはその理由を「海賊版が流通する割合の高い国では,最新のセキュリティ・パッチが適用されていないため」と推測している。だがこの両社は既に,マッピングやソーシャル・ネットワークなどのWeb関連サービスで激しく競合している。この手の調査結果を公表することが珍しいことを考えても,GoogleがMicrosoftを牽制した公算が高い。

[Modadugu氏の投稿記事]