米IDCが米国時間5月23日に発表した「2007年第1四半期の世界サーバー市場に関する調査結果」によると,工場出荷時の総売上高は,前年同期比4.9%増の124億ドルで,4期連続のプラス成長となった。第1四半期としては2001年以来の最高額を記録した。出荷台数も前期の横這い状態から改善し,前年同期と比べ4.6%拡大。ただし,成長速度は著しく鈍化している。

 ボリューム・サーバー(価格帯2万5000ドル未満)の売上高は,前年同期比4.7%増。ミッドレンジ・サーバー(同2万5000~49万9999ドル)の売上高は同2.2%増,ハイエンド・サーバー(同50万ドル以上)は同8.5%増で,ともに2期連続のプラス成長となった。ハイエンド・サーバーの成長率がボリューム・サーバーのそれを上回るのは,過去10年で2度目だという。

 メーカー別にみると,米Hewlett-Packard(HP)と米IBMが僅差で首位と2位を分け合う形となった。売上高ベースの市場シェアはHPが29.2%,IBMが28.9%だった。3位は米Sun Microsystemsと米Dellがともにシェア10.9%で並んだが,成長率ではSun(前年同期比6.3%増)がDell(同1.7%増)を上回った。

 OS別では,Linuxサーバーの売上高が前年同期比10.0%増の16億ドルと,2期連続で2ケタ成長を記録。サーバー売上高全体の12.7%を占めた。それに対してWindowsサーバーは,売上高が同10.4%増の48億ドルで,市場シェアは38.8%。「WindowsサーバーがLinuxサーバーの成長率を上回ったのは1998年の調査開始以来初めて」(IDC)。UNIXサーバーは,ハイエンドのエンタープライズ・サーバーが好調で,売上高が同0.5%増の40億ドルとなり,全体の31.9%を占めた。

 非x86サーバーの売上高は58億ドルで,前年同期から1%の微増にとどまった。x86サーバーは66億ドルで同8.7%増。また,非x86,x86にかかわらずブレード・サーバー分野が好調で,売上高は同29.7%増加して7億6800万ドル,全体に占める割合は6.2%だった。


■2007年第1四半期における世界サーバー市場のメーカー別工場出荷時売上高
(単位:100万ドル)
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ベンダー                    2007年Q1             2006年Q1       成長率
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                         売上高  市場シェア  売上高  市場シェア
Hewlett-Packard          $3,615   29.2%     $3,336   28.2%     8.4%
IBM                      $3,579   28.9%     $3,310   28.0%     8.1%
Sun Microsystems         $1,356   10.9%     $1,275   10.8%     6.3%
Dell                     $1,346   10.9%     $1,323   11.2%     1.7%
富士通/Fujitsu Siemens     $779    6.3%       $825    7.0%    -5.6%
その他                   $1,719   13.9%     $1,743   14.8%    -1.3%
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合計                    $12,394  100.0%    $11,812  100.0%     4.9%

出典:IDC(2007年5月)

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