米国の非営利調査機関であるPew Internet & American Life Projectは米国時間5月7日,情報通信技術の利用実態に関する調査結果を発表した。それによると,米国人の大半はパソコンや携帯電話などのインターネット接続機器を所有しているにもかかわらず,「Web 2.0」の特徴である双方向性を十分に活用している人はごくわずかという。

 この調査は,18歳以上の米国民4001人を対象に電話インタビュー形式で実施した。インターネット接続機器の有無,Eコマースや音声以外の電子機器通信の利用,音声あるいは動画ファイルのダウンロード,オンライン・コンテンツの投稿などについて尋ねたほか,情報通信技術がどのように生活に役立っているかについても意見を聴取した。

 Pewはこのデータを総合して,米国における情報通信技術ユーザーを利用頻度別に3つのグループに大別した。「エリート・ユーザー」(全体の31%)は情報通信技術への依存度がきわめて高く,習熟度も高い。このうち8%は,プライベートでもWebおよびモバイル・アプリケーションを頻繁に利用するヘビー・ユーザーでWeb 2.0の活用度が非常に高い。

 「中間ユーザー」(全体の20%)は,2つのタイプに分かれる。10%は携帯電話の機能をフル活用し,10%はIT機器を頻繁に利用するものの多少の煩わしさを感じている。

 「疎遠ユーザー」(全体の49%)は,情報通信技術の利用経験が乏しい,身の回りに新しい技術がない,あるいは新技術に触れる環境にあっても古いもので満足している人などで,Web 2.0の長所をほとんど活用していない。

[発表資料2(PDF形式)]