米Gartnerは米国時間4月26日,世界のIT業界が環境に及ぼす影響について分析した調査結果を発表した。それによると,全世界の二酸化炭素の排出量のうち,IT業界が占める割合は約2%という。これは航空機業界に並ぶ数字である。

 「電力コストや二酸化炭素の排出量を気にかけるIT関連企業はこれまでほとんどなく,IT部門やIT管理者も,企業としての社会責任や環境ポリシーに対する意識が低かったことがこうした事態を招いた」とGartnerは指摘する。そのうえで,同社調査担当バイス・プレジデントのSimon Mingay氏は「今後5年間で,財務や法律および環境などさまざまな面で圧力が増大し,IT企業はグリーン化を進めざるをえなくなる」と予測する。

 GartnerはIT業界に対して,製品およびサービスのライフサイクルをより完全に把握し,環境への影響を抑える画期的な取り組みをするべきと警告する。主な具体策として以下の内容を挙げた。

・消費電力の測定を開始する。
・仮想化サーバーの利用を増やすことで,サーバーおよびプリンタの消費電力を削減する。
・容量計画を立てる。
・冷却効果を改善する。
・使っていない器機の電源を切る,または電力管理機能や省電力モードを利用する。
・企業内外で資産の再利用を積極的に行う。
・全電子機器類の効率的な配置を確認する。
・ムダを徹底的に分析する。

 「こうした対策を実行すれば,2010年には3分の1以上の企業で,基準の上位6項目のうち1つ以上は達成できるようになる」(Gartner)としている。

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