世界経済に関する非営利団体の世界経済フォーラム(WEF:World Economic Forum)は,世界の情報通信技術(ICT)の利用状況に関する調査結果を,スイス現地時間3月28日に発表した。2006~2007年に情報通信技術を最も効果的に活用している国および地域のトップはデンマークだった。そのほかの北欧諸国とシンガポールが上位を占め,米国は昨年の首位から7位に転落した。
この調査は,世界の122カ国・地域を対象に,WEFがフランスの経営大学院INSEADと共同で実施したもの。ICTの整備状況を,(1)ICTを取り巻く企業,規制,インフラ,(2)個人,企業,政府によるICTの受け入れ体制,(3)個人,企業,政府による最新のICTの活用状況について評価し,Networked Readiness Index(NRI)指標として算出した。
昨年の3位から順位を上げたデンマークは,ICTを奨励する規制構造,電子政府への積極的な取り組み,ICTの普及と活用に関する明確なビジョンなどが奏功した。米国が順位を下げたのは,ICTを取り巻く政治環境および規制の悪化などによるという。
また,今年はアジア太平洋地域の国々が健闘し,香港が12位,日本が14位,オーストラリアが15位につけた。台湾と韓国は昨年から順位を落とし,それぞれ13位と19位となった。
「国家の継続的な繁栄において,ICTはますます重要になっている。北欧諸国では教育,革新,そしてICT普及の推進に早くから取り組むことで,ネットワーク整備と競争力の強化に成功している」(WEF上級エコノミスト兼レポート共同編集者のIrene Mia氏)
■2006~2007年のNRIランキング上位10カ国 国 2006~2007年 2005~2006年 前回比 順位 順位 デンマーク 1 3 +2 スウェーデン 2 8 +6 シンガポール 3 2 -1 フィンランド 4 5 +1 スイス 5 9 +4 オランダ 6 12 +6 米国 7 1 -6 アイスランド 8 4 -4 英国 9 10 +1 ノルウェー 10 13 +3 出典:WEF
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