業務知識は高評価だが提案力で評価低いCTC，3分野ともトップは日立電サ

2006年11月調査：主要インテグレーターへの満足度（１）

日経マーケット・アクセス

2006.12.18

　日経マーケット・アクセスが企業・組織の情報システム担当者を対象に行っている月次調査「日経マーケット・アクセスINDEX（日経MA-INDEX）：企業情報システム」の2006年11月版では，国内の主な情報通信製品/サービス・ベンダーとシステム・インテグレーター（SIer）を対象に，利用者の満足度を聞いた。

　製品/サービス・ベンダーに対しては「価格（料金）」「性能・機能」「サポート」の3つの評価項目，SIerに対しては「価格」「提案力」「業務・業界知識」「プロジェクト管理能力」「システム構築力」「運用サービス力」の6つの評価項目を設定している。

　10月版調査（11月22日付け記事～11月29日付け記事）での，ユーザーのイメージ（「接触度」と「存在感」と「勢い」），今後の利用意向，SIerの手がけているビジネス領域の「認知度」と合わせて，主要ベンダー/SIerがユーザーの視点からどう見られているかが明確になる。今後，四半期ごとに同じ項目で調査を続け，ベンダー/SIerへの評価の変化も見ていく。

　本日の記事ではまず，SIerに対する満足度のうち，コンサルティング的要素の強い「提案力」「業務・業界知識」「プロジェクト管理能力」の3項目の結果を掲載。明日（12月19日）公開の記事ではSIerに対する実務的な「システム構築力」「運用サービス力」と「価格」についての満足度の結果を紹介する。主要ベンダーへの「価格」「性能・機能」「サポート」満足度は明後日（12月20日）公開の記事でまとめてご覧いただく。

回答数上位では「提案力」は大塚商会とNECソフトが高評価

　SIerの満足度は，全6項目の有効回答数が平均30以上に達した対象企業が10社，うち平均50以上が6社。このうち平均50以上を集めた企業では，「提案力」満足度INDEX（算出方法は下記の注釈参照）は大塚商会（55.2点）が首位，2位は富士通サポート＆サービス（Fsas，52.7点）とNECソフト（52.2点）の接戦。逆に6社中，伊藤忠テクノソリューションズ（CTC）だけが50点に満たない48.3点となった。ただし，「大変満足」と「やや満足」の回答者の比率の合計（満足率）では，NECソフト（61.8％），大塚商会（60.0％），NECフィールディング（56.9％）の順となり，Fsasは56.5％で4位，CTCは6位（51.8％）だが50％ラインは上回った。

　CTCは，「業務・業界知識」では一転して6社中トップ評価（満足度INDEX 61.1点，満足率71.7％）を獲得。業界最大手のNTTデータ（満足度INDEX 60.7点，満足率69.1％）が2位でCTCに迫っているが，3位の大塚商会（同58.3点，67.5％）以下との間はやや水が開いている。

「プロジェクト管理能力」はFsasとNTTデータが上位に

　「プロジェクト管理能力」の満足度INDEXも，上位2社と下位4社の差が大きい。首位Fsas（56.2点，満足率65.1％），2位NTTデータ（55.8点，満足率58.6％）と3位大塚商会の52.2点の間が3点以上開いた。ただし満足率では大塚商会が59.8％でNTTデータを上回っている。プロジェクト管理能力の最下位争いはNECフィールディング（満足度INDEX 49.2点，満足率49.2％）と，CTC（同49.1点，50.9％）だった。

　有効回答数30以上50未満の4社の中では，「提案力」「業務・業界知識」「プロジェクト管理能力」とも日立電子サービス（日立電サ）の圧勝だった。提案力満足度INDEXが60.5点（満足率68.8％），業務・業界知識満足度INDEXが61.6点（満足率71.9％），プロジェクト管理能力満足度INDEXが63.6点（満足率65.6％）で，いずれも10社中最も高い評価だった。対照的に低評価だったのはオービックで，満足度INDEXは3分野とも50点未満，満足率でも「提案力」が50.0％を得た以外は，50％に達しなかった。

◆注
　調査実施時期は11月上旬～中旬，調査全体の有効回答は2566件，うち情報システム担当者の有効回答は648件。満足度INDEXは選択式回答の「大変満足」を100，「やや満足」を67，「やや不満」を33，「大変不満」を0にスコア換算して平均した。
　大手SIerの中からメーカー系/独立系や専門分野などのバランスを考えて，本図の10社とCSKシステムズ，新日鉄ソリューションズ，TIS，ネットマークス，ネットワンシステムズ，富士ソフトの合計16社をピックアップし，有効回答者全員に評価を求めた。NECソフトについては，九州，中部など各地のグループ会社を含めて評価するよう求めた。リコー，富士ゼロックスなどその他の大手SIer 65社については，SIerと回答者をそれぞれ5グループに分けて，各回答者に13社だけを提示し評価を求めた。