本リファレンスでは、DOMおよびJavaScriptあるいは、JScriptなどのJavaScript互換スクリプトをサポートしたブラウザを対象にしています。具体的には、バージョン4.0以上のInternet Explorer、Netscape6.0以降のFirefoxを含んだMozilla系ブラウザ、その他Opera、Safari、Chromeなどが対象となります。

 各記事には「使用例」としてDinamicHTMLのサンプルコードを付けています。これらのサンプルコードは、Internet Explorerに関しては、バージョン5.0以降を対象としています。これは、Internet Explorer4.XのDOMの用法が、他のブラウザと違いがあるためです。その他、特定のブラウザでサポートされていなかったり、注意が必要な事柄がある場合は、できるだけ解説に入れるようにしています。

 サンプルコードは、テキストエディタにコピーペーストすることで、ブラウザ上で簡単に実行できます。サンプルコードが複数のファイルに分かれている場合があるので、このような場合は、すべてのファイルを用意して下さい。また、画像ファイルが必要な場合は、別途用意して下さい。

 また、表示枠をはみ出る行に関しては、改行を加えていますので、それを除いて実行してください。

 「form要素のsize」プロパティ例です。まず、DinamicHTMLリファレンスの「使用例」をマウスで選択(写真1)。次いで、ブラウザからテキストエディタなどにコピーします(写真2)。

図1●写真1●「form要素のsize」プロパティの使用例を選択したところ
写真1 「form要素のsize」プロパティの使用例を選択したところ
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図2●写真2●テキストエディタにコピーして「index.html」で保存
写真2 テキストエディタにコピーして「index.html」で保存
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図3●写真3●Webブラウザでindex.htmlを開いたところ
写真3 Webブラウザでindex.htmlを開いたところ
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 コピーしたデータを、「index.html」というファイル名で保存します。ファイル「index.html」をブラウザに読み込みます。ブラウザに表示された「サイズを変える」の部分をクリックすると、テキストボックスの横幅が変わり。

 リファレンスは、大きく3つのオブジェクトのタイプで分けています。elementオブジェクト、HTMLelementオブジェクト、styleオブジェクトです。それぞれの概要を以下に示します。

elementオブジェクト(配列)

 DOM化されたブラウザでは、HTMLやXMLの各要素は、elementオブジェクトとして、オブジェクト化されています。この中でDynamicHTMLは、HTML要素にアクセスして、値を取得したり、変更したりすることによって実現しています。ここでは、HTML要素へのJavaScriptを使ったアクセス方法とともに、elementオブジェクトのうち、特にDynamicHTMLのページを作るために必要なプロパティ、メソッドを取り上げています。

HTMLelementブジェクト

 JavaScriptが特定のHTMLタグ要素のみをオブジェクトとしてサポートしていたのに対し、DOM化されたブラウザでは、そのブラウザがサポートしているすべてHTMLタグ要素を、elementオブジェクトとして、オブジェクト化して持っています。さらにこのelementオブジェクトには、JavaScriptを使ってアクセスすることが可能です。これはつまり、ブラウザがサポートしているすべてのHTMLタグ要素のすべての属性からJavaScriptを使って値を取り出せ、さらに読み出し専用の属性以外の値を、変更することが可能である、ということです。

 JavaScriptがブラウザの表示に関するオブジェクトを、documentオブジェクトの下にまとめていたのと同じように、elementオブジェクトは、DOMのHTMLタグ要素を、document要素の子ノードにまとめています。このため、JavaScriptが「document.オブジェクト.プロパティ」として、オブジェクトの持つ値を指定できたのと同じように、DOMでも「document.タグ要素.属性」と、JavaScriptと同じような用法で、HTMLタグ要素の持つ値を指定することが可能です。

styleオブジェクト

 DOMは、HTMLタグ要素だけでなく、スタイルシートが持つすべてのプロパティも、style要素の属性として、オブジェクト化して持っています。これにより、JavaScriptを使ってstyle要素の属性にアクセスし、スタイルシートのプロパティの値を、動的に変更することも可能です。

 DOMのstyle要素の属性名称の形式は、スタイルシートの「background-repeat」プロパティの属性名が「backgroundRepeat」となるように、ハイフンをとり、ハイフンの次の文字が大文字になる。また、スタイルシートの「cursor」プロパティのように、ハイフンがないプロパティは、そのまま「cursor」となります。

 styleオブジェクトは、document要素の子ノードであるHTMLタグ要素のさらに子ノードとなります。このため、style要素の属性は、「document.タグ要素.style.属性」の用法で指定することができます。