構文

<form>
<div>
  <input>
    :
</div>
</form>

説明文

 <input>タグは,<form>タグでサーバー側に送信するデータの入力や選択の部品として利用する。「type」属性に指定した値によって異なった部品として動作する。例えば,「text」と指定すると文字列の入力部品として,「checkbox」と指定するとチェックボックスとして利用できる。各タイプについてはこのページ中の「type属性の種類」を参照。

 また,「type」属性に「submit」と指定することで,データを送信するボタンとなる。

 <input>タグはインライン要素であるため,基本的にブロック要素の中で利用するようにする。また,<form>タグはブロック要素であるが,HTML 4 Strictでは<form>タグ内にはブロック要素のみ包括を許可しているため,<input>タグを利用する際は,他のブロック要素を利用して記載するようにする。

サンプル

HTMLソース

<form method="POST" action="postbox.cgi">
<div>
  <h2>オンライン・ストレージへのアップロード</h2>
  <p>アカウント名:<input type="text" name="account"></p>
  <p>パスワード:<input type="password" name="passwd"></p>
  <p>対象ファイル:<input type="file" name="upload"></p>
  <dl>
    <dt>転送先:</dt>
    <dd><input type="radio" name="target" value="home">ホーム・
    フォルダ</dd>
    <dd><input type="radio" name="target" value="image">イメー
    ジ・フォルダ</dd>
    <dd><input type="radio" name="target" value="private">プラ
    イベート・フォルダ</dd>
  </dl>
  <p><input type="checkbox">ファイルの外部公開を行う</p>
  <p><input type="submit" value="転送">  <input type="reset"
  value="リセット"></p>
</div>
</form>

ブラウザ表示例

オンライン・ストレージへのアップロード

アカウント名:

パスワード:

対象ファイル:

転送先:
ホーム・フォルダ
イメージ・フォルダ
プライベート・フォルダ

ファイルの外部公開を行う


対応状況

HTML IE Firefox Opera
4 strict 4 Transitional 5 6 7 2 3 8 9

要素,タグ

タグ要素 インライン要素,フォーム要素
包括可能要素 無し
タグ記述条件 開始タグ:必須 終了タグ:無し

属性

よく利用する属性

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
type=種類 <input>の種類を指定する。指定できる種類については後述する  

その他の属性

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
accesskey=キー このタグにフォーカスするキー設定を行う。「A」と指定すると,[ALT]+[a]を押下することでこのタグにフォーカスが移動する  
class=クラス名 このタグのクラス名。CSSでスタイルを指定する場合などに利用される  
disabled タグの無効化。文字の入力やチェックなどといった操作が行えなくなる  
dir=方向 タグ内の文字の表示方向。「ltr」を指定すると文字を左から右に,rtlを指定すると「右から左」に表示する。しかし,多くのWebブラウザでは,文字コードを自動判別し,自動的に表示方向を決定している。そのため,日本語を「rtl」と指定しても実際には左から右に表示される。強制的に並び替えを行いたい場合は<bdo>タグを利用する  
id=ID タグのID。ダイナミックHTMLでタグを操作する場合や,Java Scriptでのタグの制御,個別にスタイルを指定する場合などに利用する  
lang=言語 タグ内に記述した言語。例えば,日本語の場合は「ja」,英語の場合は「en」を指定する  
style=スタイル タグのスタイル。スタイルの指定方法については「CSSの基本 (2) CSSの記述位置」を参照  
tabindex=順序 タブ・キーによるフォーカスの移動順序を指定する。値が小さいほど先にフォーカスされる  
title=タイトル タグのタイトル。一般的にタグの補足情報を記述する。一般的なWebブラウザでは,タグ上にマウス・ポインタを乗せるとツール・チップにtitle属性に指定した内容を表示する  

マウスやキーボードの状況変化に関わる属性

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
onclick=スクリプト このタグに対応する表示結果にマウスの左ボタンをクリックした場合に,指定したスクリプトを実行する  
ondblclick=スクリプト このタグに対応する表示結果にマウスの左ボタンをダブル・クリックした場合に,指定したスクリプトを実行する  
onmousedown=スクリプト このタグに対応する表示結果にマウスのボタンで押下した場合に,指定したスクリプトを実行する  
onmouseup=スクリプト このタグに対応する表示結果にマウスのボタンを離した場合に,指定したスクリプトを実行する  
onmouseover=スクリプト このタグに対応する表示結果にマウス・ポインタが乗った場合に,指定したスクリプトを実行する  
onmousemove=スクリプト このタグに対応する表示結果上でマウス・ポインタが動いた場合に,指定したスクリプトを実行する  
onmouseout=スクリプト このタグに対応する表示結果にマウス・ポインタが外れた場合に,指定したスクリプトを実行する  
onkeypress=スクリプト このタグに対応する表示結果にフォーカスした状態で,キーボードのキーを押下して離した場合に,指定したスクリプトを実行する  
onkeydown=スクリプト このタグに対応する表示結果にフォーカスした状態で,キーボードのキーを押下した場合に,指定したスクリプトを実行する  
onkeyup=スクリプト このタグに対応する表示結果にフォーカスした状態で,キーボードのキーから離した場合に,指定したスクリプトを実行する  

各typeについて

type="text"

 キーボードから入力したテキストを送信する際に利用する。<textarea>とは異なり1行のみの入力エリアとなる。

<input type="text" name="data">

 type="text"指定時の固有属性は下表の通り。

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
autocomplete=値 オートコンプリート機能の有効・無効を切り替える。「on」は有効,「off」は無効にする × × IE
maxlength=文字数 文字の最大入力数を指定する  
readonly テキスト・エリアの内容の変更を禁止する  
size=サイズ/td> 入力フィールドの大きさを指定する  
value=値 初期値を指定する。ページを表示した際,指定した値があらかじめ入力されている  

type="password"

 キーボードから入力したテキストを送信する際に利用する。ただし,type="text"とは異なり入力した文字は「*」や「●」といった入力した文字を判断できない記号でマスクされる。パスワードのような他人に盗み見られたくない情報を入力する際に利用する。

<input type="password" name="data">

 type="password"指定時の固有属性は下表の通り。

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
autocomplete=値 オートコンプリート機能の有効・無効を切り替える。「on」は有効,「off」は無効にする × × IE
maxlength=文字数 文字の最大入力数を指定する  
readonly テキスト・エリアの内容の変更を禁止する  
size=サイズ 入力フィールドの大きさを指定する  
value=値 初期値を指定する。ページを表示した際,指定した値があらかじめ入力されている  

type="file"

 クライアントからサーバーへファイルを転送したい場合に利用する。テキスト・エリアが表示されるがここにはファイルのパスを指定する。また,最近のWebブラウザではファイル名を直接入力できず,右に表示されたボタンから対象のファイルを選択することが多い。

<input type="file" name="data">

 type="file"指定時の固有属性は下表の通り。

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
accept=MIMEタイプ 送信を許可するファイル形式をMIMEタイプで指定する。複数のMIMEタイプを指定する場合は,カンマで列挙する  
maxlength=文字数 文字の最大入力数を指定する  
size=サイズ 入力フィールドの大きさを指定する  

type="checkbox"

 選択項目を選択するといった場合に利用する。<input>を指定すると,その部分にチェック用のボックスが表示される。ここにチェックを入れると,value属性に指定した値が送られる。

<input type="checkbox" name="data1" value="1"> 項目1<br>
<input type="checkbox" name="data2" value="2"> 項目2<br>
<input type="checkbox" name="data3" value="3"> 項目3
項目1
項目2
項目3

 type="checkbox"指定時の固有属性は下表の通り。

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
checked Webページを表示した際にチェックされた状態にする  
value=値 チェックされている場合に送信する値を指定する  

type="radio"

 一方を選択すると他方の選択が外れるラジオ・ボタンを使う場合に指定する。性別や年齢といった1つしか選択できない場合に利用する。関連するラジオ・ボタンのname属性は同じにしておく必要がある。もし異なると,別のラジオ・ボタンとして扱われる。また,選択時に送信される値はvalue属性に指定する。

<input type="radio" name="data" value="1"> 項目1<br>
<input type="radio" name="data" value="2"> 項目2<br>
<input type="radio" name="data" value="3"> 項目3
項目1
項目2
項目3

 type="radio"指定時の固有属性は下表の通り。

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
checked Webページを表示した際にラジオ・ボタンが選択された状態にする  
value=値 ラジオ・ボタンが選択されている場合に送信する値を指定する  

type="hidden"

 hiddenを指定すると,画面上に何も表示しない。ページ固有の値を送信したい場合や,処理時に使いたい値を指定するといった際に利用する。例えば,処理した回数をhiddenで指定しておき,その値から次に行う処理を分岐するなどだ。

 hiddenでは,valueに指定した値を送信する。

<input type="hidden" name="data" value="1">

 type="radio"指定時の固有属性は下表の通り。

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
value=値 送信する値を指定する  

type="submit"

 submitは,送信用のボタンを表示するタイプである。このボタンをクリックすると,対応するフォームの内容がサーバーに送られる。また,value属性に指定した値はボタン上に表示される。

<input type="submit" name="data" value="投稿">

 type="submit"指定時の固有属性は下表の通り。

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
value=値 ボタン上に表示する文字列を指定する。また,データ送信時にsubmitの設定したname属性に対し,value属性の内容が送られる  

type="reset"

 resetは,フォームの内容をクリアーするためのボタンを表示するタイプである。このボタンをクリックすると,同じ<form>タグ内に所属するすべてのフォームがクリアーされる。ただし,<input type="text" value>のように初期の値が設定されている場合,ボタンをクリックすると初期の値が表示される。また,value属性に指定した値はボタン上に表示される。

<input type="reset" name="data" value="Clear">

 type="reset"指定時の固有属性は下表の通り。

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
value=値 ボタン上に表示する文字列を指定する  

type="button"

 buttonは,ボタンを表示するタイプである。submitタイプとは別の動作をさせたい場合などに利用する。

 submitタイプでは,ボタンをクリックすると<form>のaction属性に指定したプログラムにデータを送るが,buttonタイプでは何も動作しない。もし,ボタンを押して処理を行いたい場合は,onmousedown属性などのイベント属性でスクリプト等を呼び出すようにする。

 また,value属性に指定した値はボタン上に表示される。

<input type="button" name="data" value="集計">

 type="button"指定時の固有属性は下表の通り。

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
value=値 ボタン上に表示する文字列を指定する  

type="image"

 imageは,指定した画像を用いたボタンにするタイプである。画像をクリックすると<form>タグのaction属性に指定されたプログラムにデータが送信される。また,ボタンをクリックした際,クリックした画像の座標が同時に送信される。送られるデータは「name属性の内容.x=横座標&name属性の内容.y=縦座標」となる。また,valueの内容も同時に送られる。

 また,画像表示に対応していないWebブラウザ用の代替文字をaltに指定する。

<input type="image" src="button.jpg" name="data" value="Click" 
alt="Click Me!">

 type="image"指定時の固有属性は下表の通り。

属性 意味 対応
HTML 4s HTML 4t その他
align=配置 ボタンの配置位置を指定する ×  
alt=文字列 画像の表示できないWebブラウザなど用に代替となる文字列を指定する  
border=幅 枠線の幅を指定する。単位はピクセル。割合で指定する場合は「%」を付ける × × Fox
height=高さ 画像の高さを指定する × × IE,Fox
ismap サーバー側でクリカッブルマップを利用する際に指定する  
src=URL ボタンとして表示する画像のURLを指定する  
width=幅 枠線の幅を指定する。単位はピクセル。割合で指定する場合は「%」を付ける × × IE,Fox

関連項目